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【サーフィン研究所】台風波、夢のごとく_奄美龍郷ローカルサーファー図鑑_(1502文字)

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Amami Oshima, 2019 Februrary

.

台風第2号 (Wutip、ウーティップ)は992hPoとなり、

波が上がった日の最大瞬間風速が70m/s。

現在は35m/s なのでちょうど半分の波勢力だと考えた。

つまりはすっかり衰退気味。

ただ、

寒冷と温暖前線を伴った低気圧の中心が、

奄美大島を過ぎていったので、

未明に豪雨&雷鳴100発。

そして夜明け時間に気温20度。

すっかりと春であります。

 

龍郷町、

龍の故郷という地名にやってきた台風波。

「ここはリーフの上に砂が付くという地形なので、

流れとか、ピーク位置が毎回変わります。

今回の地形はかなり良いです」

そんなことを教えてくれた緑くん。

バテンスのTシャツがかっこいい。

その緑くんの『最高よ〜ドロップイン』がこれ。

かなり切れ上がった斜面をテイクオフしていて、

さすがなのでありました。

Nation Eagle 6’8″ +

7.75″ Tyler warren’s Center fin

VEKTOR VFC Side

.

これは私。

サイズを下げたが、

まだ迫力十分。

さすが台風波なのであります。

熊ちゃん。

この波が上がってから、

下がって風が入るまで全ての時間にいた。

碇山勇生さんたちと大波乗チームの一員でもあります。

真のサーファーの目指すべき姿がここに。

Hiro “the KULUKULU”

.

クルクルのヒロくん。

彼はなんでもおしゃれ。

波乗りもやはりスタイリッシュなのでありました。

ヒロくんは、

私が奄美に初めて来たとき、

中村竜さんと一緒に深くお世話になったのです。

とすると、

かなり長い年月をお互いに知っているということになる。

ヒロくんは私が乗っていると、

いつもこうしてシャカサインをくれる。

こういうのが一番好きです。

うれしいので、サバ手で応答。(笑)

ものすごいボトムターンをした者がいて、

良く見るとそれはサルこと、猿渡くんであった。

サルは緑くんの親友で、

酒豪で、女の子に弱く、

笑顔絶やさず、職人肌の純粋な島人である。

彼のボトムターンからラリー・バートルマンを思い出し、

さらにはトロちゃんが持ってきたツインフィンが、

ラリー・バートルマン・モデルだったと、

一緒に初夏の伊豆入田浜の、

白砂と青い海までもを思いだした。

サル予定数終了。

切りっぱなしのウエットスーツに、

この笑顔がまたいい。

グレイト・アイランドサーファー認定。

これは奄美のジャック・ロビンソンと認定された大智。

レイルワークとストールに長けていて、

むずかしいセクションもリップを潜ってバレルメイクしてきた。

ものすごいレベルのサーファーです。

たくさん波乗りしてお腹が空いたので、

高校球児系のランチを作成するに至る。

これは2人前の麺で作った冷やし中華。

タレは胡麻ペーストと、たんかん。

マヨネーズをかけるのがコツ。

食後は、

渾身のドローン映像を撮ってくれた優人くんに厚き御礼を。

優人さんは、

前出の緑くんの実弟。

@yutogreen

そして背景は私作品展示でした。

(グリーンヒルカフェ内廊下)

今回の波で、また奄美作品が増えました。

奄美にちょうどやってきたのが、

茂木くんことフマール・モタ。

彼はカラーズマガジンのヨゲさん、

ユウジくんの幼なじみで、

茅ヶ崎ジュニアプロの一人。

グレイトサーファーです。

これから一緒にサーフする約束しています。

これがそのドローンショット。

3本撮ってもらったので、

それらを映像をつなげてみました。

25%のスローですが、

ギター楽曲”コンドルは飛んでいく”

と共に気持ち良く観ていただけたらと思います。

2分30秒程度の映像です。

Happy Surfing!!


【サーフィン研究所講座】波獣テイクオフまでのドラマ_インパクト先の機敏_(2538文字)

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一昨日、

私は波に相対(あいたい)してきて、

『魔獣』、『波獣』という言葉を使った。

波が下がってくると、

『奄美のすばらしい波』に変わった。

『獣=ケモノ』から『すばらしい』とまで評価が変わるのは珍しい。

例えば、

「巨大なイノシシが民家を襲った」

そう聞けば、

ケモノがすることだと畏怖し、

自分の場合ならどのように対処するのかをシミュレートするだろう。

宮崎駿さんなら「シシ神の仕業じゃ!」などと、

物語の前半あたりでヤマ場を作るだろう。

そんなどうにもならないケモノ=奄美の台風波だった。

NATION EAGLE 6’8″

.

撮っていただいた画像を見ていたら、

私を襲うホワイトウォーターが竜頭群になっていた。

もし振り返っていたら、

海水に姿を変えた獰猛な竜たちがいたのだろう。

そういえば、崩れた瞬間の音もすごかった。

『轟音咆哮』

こんな小説が書きたくなった。

「珠丸」書き進めています。(業務報告)

NALU誌コラム脱稿。

今回は『環境』についての怪談を書きました。

10日発売ですので、

お楽しみにお待ちください!

さて、

なぜ私はこんな魔獣波に乗る顛末となったのか。

そんなことをここに書いてみます。

まずは前置きとして、

私たちーー熊ちゃんと私は沖のピークで波を待っていた。

状況はうねりが衰退しているのに加え、

潮止まりというダブルヒットで一切セットが入らなくなっていた。

英語で言うところのシャットダウン。

波のスイッチが切られてしまった状態だった。

けれど待つ。

水平線を見渡して、目を凝らして見ていく。

東側も南側も。

けれどうねりらしきものはない。

周りの風景を見る。

竜の形の雲は出ているかは自分の卦にとって重要なので、

雲が浮き出した竜の破片を探していく。

ある程度して、

セットは当分やって来ないことを確信した。

こういうときすることは自分の場所を求めること。

まずは陸側正面。

森の後ろに見える電波塔と、

その後ろの山の稜線を重ねてA点を作り、

B点は横側に。

堤防と標識、そして遠くの別荘をつないだ。

こうして自分の位置を作って、

そこから流されないようにしていく。

その間、熊ちゃんと去年の波、

伝説の年の魔獣波の回想を聞いていく。

少しすると、

かなり流されていることに気づいた。

で、先ほど設定した自分の地点、

A+Bの位置まで戻っていく。

およそパドル50回ほども流されていた。

すごいカレント(流れ)である。

それからも波のことを話しつつ、

沖への監視を行いながら、

ずっとパドリングで定位置をキープしていた。

「もう波高が下がってきている」

そんなうれしくない予感があった。

(実際の波高ピークは朝だった。この撮影は午後5時頃)

けれど波高というのは、

上下しながら小さくなっていくものなので、

魔獣波が来る可能性は十分にあった。

大うねりは入らないまま時だけが経っていく。

そしてついに。

私たちはうねりを見つけたのだった。

沖に1本だけ動く影があり、

その波高が高すぎて、

後ろは見えず不明だが、

とすると、2本目以降があるのなら、

この1本目の波高より大きくはないはずだった。

「これだ!」

そう決めてうねりのピーク側に動き出した。

だが、これに熊ちゃんが入るようで、

こちら側を向くようにガンボードを返した。

けれど、

熊ちゃんは、

ファーストセクション側のふくらみが気に入らなかったようで、

パドリングを止めてしまった。

私は上記したように「この波」と決めたが、

熊ちゃんがパドリングを始めたので、

「この波」をあきらめたばかりだった。

けれど、こういうことは常に想定しているので、

瞬時にイーグルを反転した。

パドリングを始める。

情報を入れていく。

ふくらみとはこれかと、

なかなかエグそうだとかそんなこと。

もうひとつは、

途中から切り出して(テイクオフ初頭の動作のこと)いるので、

パドリングの漕ぎ出しが遅く、

どうやら波に対しては遅延していることも知った。

ただ、

この波を熊ちゃんから引き継いだ責任があるから、

飛び込んでも波の中は入る心づもりだった。

イーグルは、

たった6’8″の長さなのに、

ガンに匹敵するほどのパドル能力がある。

いわゆる”パドリングが早い”ボードだ。

それを活かしてリズミカルに、

深く、強く、腕を最大限にしならせ、

水を多く掴みながら漕いでいく。

入った。

自分の右側がピークセクション。

この後ろに入ったから熊ちゃんはそれを見極めて止めたのだろう。

私は「この波」という最初の直感を信じつつ、

テイクオフの体勢に入った。

オフショアを受けて、

速度よろしく降下していく。

「ヒクク・ヒクク」

これは私のテイクオフのときの真言である。

要は体勢を低くしなさいと、

立ち上がるまで自分に言い聞かせている。

そうでないと体はなぜか立ち上がってしまう。

恐怖なのか畏怖なのか、

または誇らしいのか。(笑)

それを戒め、

さらには動作として機能する真言なのでお使いください。

低く低くをもう忘れて、

すっかり立ち上がろうとしている私が映っている。

ズドンと降りたけど、

有効波セクションからは10mほど後ろだった。

途中で斜めターンが出来たら良かったのだろうけど、

降りるのがやっとだったので仕方がない。

(ボードサイズを上げる〈8’0″くらい〉ことでメイクできる)

とにかく降りてきました。

手をこうして挙げるのは、

後ろから白波(魔獣波)に押されることを想定していたからであろう。

押されても前に出られるように、

弾かれないようにと編み出した必殺技なのであります。

けれど、

魔獣は文字通り無慈悲であります。

こっちの思惑だろうが、

人生だろうが知ったこっちゃありません。

前方にあるもの全てを襲います。

私もあっけなく吸われてしまいました。

けれど必殺技の効果ありで、

前に吐き出されてきた。

遠山の金さんではないが、

『これにて一件落着』と相成りました。

まあ、たかがクローズアウト1本の波ですが、

そこにはこんなドラマが存在していて、

そのおかげで私は竜波だか、

魔獣波に乗りつつ、生還してきたという事実。

サーフィンとは、

深く、そして野蛮なのでありました。

『野蛮波に乗ろう、猛獣波を喰らおう』

そんなガイドツアーのボディコピーを得たので、

本日の講座を終了します。

Happy Surfing!!

【サーフィン研究所】奄美台風2号総括_バックドア3種の神器_キッチンマカロニの誠実味_(2033文字)

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今回奄美大島の太平洋側にうねりを届けた台風2号波は、

初日は小さく、翌日胸肩くらいとなり、

3日目にこうしてズドンと上がった。

Tyler Warren 1973 Bonzer 6’4″

.

この上の写真が最大サイズ日。

2月26日。

すばらしいサイズで、

ただ沖のウエッジするピークの下は魔獣系で、

私と熊ちゃんは何をすることもできなかった。

ただ海の下に沈んで、

無慈悲な波を喰らうだけだった。

精神修行のような時間が多々あった。

Nation Eagle 6’8″

Drone Shot by @yutogreen

.

そしてそれからはゆっくりと波高を下げていき、

獣波が見違えるほど美しくなった。

26日の午後が上のドローンショット。

優人くんの作品であります。

で、一昨日はアマミアン・バックドアができた。

けれど、こちらはまだまだ獣系で、

リーフのこととか大変だったけど、

バックドア・マスターの森哲太くんと一緒に入れたので、

さまざまなことを学ぶことが出来た。

この顛末は来週にでも書きますね。

Amamian Backdoor

Catch Surf ®Skipper Fish 6’0″ + VEKTOR VT

.

これがアマミアン・バックドア。

2月28日。

下がってもここまでの威力波。

リーフの亀裂が波に反映されている。

そこまで浅い波質。

うねりが大きな日は、

どんなことになっていたのか。

獣というより猛獣系です。

水深膝腰くらいの場所もあり、

そこを通るとボードが引きずり込まれそうになる。

しかもゴジラの背中系のリーフだから、

絶対にその辺りには行きたくないのだが、

抜けられなかったりすると、

そこの引きずり込まれる真昼の恐怖。(笑)

衰退し続けた台風2号はついに熱帯低気圧となり、

どこにも被害を与えぬまま、

良うねりを出して消えていった。

儚いがこれも世の常。

それにしても波だけ出して、被害を与えないというのは、

サーファーに取っては台風の鑑なのであります。

これが今日発表の低気圧。

1012hPaの熱帯低気圧となってゆっくりとこちらに近づいてきます。

これは日付が戻って2月27日。

オンショア風が入ってしまい、

雨模様となったのは、

やはり前線を伴った低気圧が通過した影響だろうか。

サイズが急激に下がった日でもあった。

バックドアは、

こうしてウエッジのリッジ(稜線)の内側からテイクオフしないと、

波の中に降りられない。

血液が逆流するような瞬間。

とにかく今回の台風ウーティップは良い波だった。

ちなみに上の二枚が台風波2日目のバックドア。

2月25日。

バックドアを陸から見るとこんなセットアップ。

砂が多く付き始めたのは、

良い予兆なのかそうでないのかはわからないが、

大量の砂がバックドア付近にたまっている。

バックドアボード三種の神器。

左からタイラーボンザー6’4″

キャッチサーフ・スキッパーフィッシュ6’6″

同じくスキッパーフィッシュ6’0″

ここは前出したように浅いので、

ボードをすぐ壊してしまうので、

キャッチサーフが一番良い。

例えばキックアウトすると、

「ゴジラの背中のようなギザギザリーフの上」

なので、

グラリとすればリーフでレイルがグシャリ、

波に押されたらテイルがガスッとなる。

なので、

究極のボードであるイーグルは、

保存用にあまりここでは乗っていない。

これはアマミアン・パイプライン。

こちらもリーフがガビギザハートの子守歌。

サーフ後はいつものことだが、

とってもお腹が空くので、

高校球児弁当を求めに北部、

笠利に向かいました。

目指すは名店『マカロニ』。

ここはお弁当屋さんなのに

“お昼頃には売り切れてしまう”

という超人気店なのでありました。

Kitchenマカロニ

鹿児島県奄美市笠利町大字中金久43−2

(奄美大島信用金庫前)

朝9:30から売り切れまで(12時頃でしょうか)

日曜日定休

0997 63 1039

大島北高の卒業式を横目に到着すると、

『OPEN』という看板、

そしてノボリに「お弁当はまだある」

そう確信した。

カズくんいました!

店主ですから絶対いるはずだけど、

いるとうれしい。

カズくんは朝早くから仕込んで、

ひとつひとつのお総菜を作り込んでいる誠実店です。

そんなことからも長年人気があるのであります。

ここもNAKISURFカレンダーを飾ってくれています。

3月となりましたね。

クリスチャン・ワックの月ですね。

今月もどうぞよろしくお願いします。

カズさんのマカロニ弁当は、

龍郷町まで戻り、

3Dウエッジが見渡せる丘の上に持ち込み、

この無人良波を見ながらいただく趣向となりました。

お弁当プラスあれもこれも。

おにぎりもと、甲子園球児系の量だけど、

本当においしく、誠実な味付けの数々。

昨日のメインは甘酢鳥唐揚げ。

とにかく料理好きな人なら、

作りこみ誠実さに感動させられるお弁当です。

食べきれなかったマカロニサラダは、

今夜のおかずに回しました。

ああ、幸せ。

Happy Surfing!!

 

【サーフィン研究所】奄美旅句点編_バックドアwith茂木くん_パンダの特徴_(1999文字)

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Amami Oshima

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Dragon Cape, Amami Oshima

.

奄美を離れて京都に向かうために奄美空港にいる。

撮影仕事があって、

ただ滞在は4日間だけなので、

このまま奄美編を継続できるのだが、

一度ここで句点を打っておきたい気持ちでこれを書いている。

Nation Eagle 6’8″

.

1月の終わりに爆弾低気圧からのうねりでB-Passが乗れた。

しかもNAKISURF千葉チームと一緒にというのが心に残った。

そして波が小さい日が続き、

台風2号がズドンとやってきた。

Nation Eagle 6’8″

.

2月に小山のような波に乗れたのは、

季節外れの台風ということ。

また異常気象だと騒がれるのだろう。

地球は引っ越しできないので、

大切にしなくてはと思うのだが、

海の向こうでは、

内戦やら戦争を仕組んでいる連中がいて、

戦闘機、爆撃機が飛んでいる。

これだけでも大気汚染が甚だしいだろう。

サンクレメンテのサンオノフレから内陸が米軍キャンプなので、

そこでは日々演習があり、

ズドンズドンと大砲を撃ったり、

戦闘機がスクランブル発進したりと、

戦闘態勢が十分なのを国民にアピールしているように映る。

そしてほとんどのアメリカ国民がそんなことを歓迎していて、

個々に聞いてみると、

世界平和を米国が護(まも)っているという自負があるらしい。

または、反戦ジョン・レノンの思慮深いタイプと分かれる。

けれど、私が見る限り好戦派は95%くらいだろうか。

愛国心=他国をパトロールするという図式なのかもしれない。

2019年にもなるのだから、

武力でなく契約で世界平和が達成できたらいいのに。

ハノイで開催された米朝会談レポートを読みながらそう思ってしまう。

話が逸れた。

「イーグルは究極のボードです」

そう言って止まないが、

そのターンを支えるのが、

このセンターフィン(TW7.75″)とベクターサイド。

やたらと速く、しかも安定しているので、

高速ターンが達成できます。

これはバックドア。

ちょうど茂木(もてぎ)くんが来島しているので、

バックドアまで波チェックをしに行った。

彼のことを中学生——30年前から知り、

サンクレメンテにも留学しにきて一緒にサーフしているので、

彼の潜在的、そして光る才能というか、

そんなことを知っている一人でもある。

「ここでサーフするよ」

そう言うと、

彼は私が冗談を言っているのかと思ったほど、

キレキレのベロン波におののいていたと言う。

そこでキャッチサーフのスキッパーフィッシュ6フィートを持ち、

二郎くんではないが、

「かんたんです」とばかりにテイクオフの実演をしても、

「こんな波、降りられる気がしません」

そう言う。

「茂木はカリフォルニアもハワイもやっているから大丈夫」

そう言い聞かせても

「乗れる気がしません」

力なくそう言う。

私は彼の高いサーフ能力を知っているから、

この波に乗ることは可能だと知っていた。

さらに実演すると、

こんな彼の驚愕顔が映っていた。

無理もない。

えぐれるほどの斜面で、

水深などほとんどない波。

しかもギザギザリーフ。

そこで、

「ピークのウエッジの中にボードを入れて、

芯から思い切り落とすようにテイクオフすれば大丈夫」

きっぱりとそう伝えた。

良い波が来たので、

「これだこれだGO!GO!」

そう応援すると、

彼はついに決意し、

完全なるストロークのパドリングが見えた。

「GoGo〜!」

Takeshi Motegi, Amamian Backdoor

.

「乗れました!」

「良かったね〜」

「こんな波は日本では見たことはありません」

「奄美だからね」

「奄美ってすごいです!」

そんな結実となった日。

めでたしめでたし。

彼はまた波乗り修行に入る決心が付いた波でもあったと、

先ほど結島キャンプフェスティバル会場から教えてくれたのでありました。

今朝はすっかりと小さくなり、

熱帯低気圧の波もどこかに行ってしまったようで、

またこんなサイズになったけど、

京都から戻ってきたら波があるといいな。

欲ばらず、自然体でそう思います。

今回の奄美はヒカン桜も見られたし、

伊豆は河津桜が満開だと、

今村厚くんがFBで伝えていた。

これは日本書紀ネコのパンダ。

(パンダについては巻末リンクa,bを参照ください)

他にも似た模様がいて、

「あ、パンダ」

そう思うけど違うことがすぐにわかる。

なぜなら二つの大きな特徴がパンダにはあるのです。

ひとつは口のホクロ模様。

もう一つは背中のライトニングボルト模様。

ボルトマニアのトロちゃんが見たら、

欲しがるからナイショにしておかねば。(笑)

それではすばらしい日曜日となりますように!

もうすぐフライトです。

京都でお会いする方、

どうぞよろしくお願いします。

【巻末注釈リンクa:奄美パンダについて】

【平成天皇誕生日特大号】日本書紀黒白猫_(4103文字)

【巻末注釈リンクb:パンダ動画】

【建国記念三連休特別号】グリーンヒル展望台_Tyler Warren X NAKISURF_パンダが教えてくれたレゾンデートル_(1250文字)

Happy Surfing!!

京都到着_奄美雑記_アーティスト熊ちゃんについて_(2628文字)

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Catch Surf ®Skipper Fish x Taj Barrow Pro 6’0″

With Captain TW Twin + VEKTOR VT Trailer

.

朝晴れていたのに、

フライト時には大雨となった奄美空港。

さよなら〜!

またんきゃ〜(またね〜)とばかりに飛び立ち、

少しすると、

雨雲の上に出てまた晴天。

奄美から大阪伊丹空港までは1時間とちょいなので、

本を読んでいたら着陸態勢に入っていた。

伊丹空港に到着すると、

ラッコ旦那のお出迎えを受けて一路京都へ。

東寺の五重塔。

国宝でございます。

東寺は嵯峨天皇より空海に下賜された寺であり、

当時は真言密教の根本道場として栄えたという。

今回の京都の滞在は京都橘屋さん。

ゲストハウス=民宿だと思っていたら、

そのあたりにあるホテルよりも数倍すばらしい。

京都でのオススメの宿でございます。

京都なので、

おいしいものをと、

ラッコ旦那に聞いてみると、

パリ並においしいパンがありますが行きますか?

そんなことになった。

そしてこんな美しい視界を得たので、

すかさずインスタグラムでポストすると、

すぐにパリに住むフランクからコメントがあった。

@frankfelixf “Bon appétit Naki!”(めしあがれ!)

@nakisurf “C’était délicieux!!”(おいしかった〜)

京都にいながらパリとのやりとりがうれしかった。

さて、

奄美写真が残っているので、

ここにポストしていくことにしました。

これはバックドア。

ここは硬く、速い波質なので、

カットバックは珍しいのだが、

たまにこうしてオープンフェイスが現れる。

Catch Surf ®Skipper Fish x JOB Pro 6’6″

With NATION TW Twin + VEKTOR VT Trailer

.

コスタリカから乗り込んでいる66。

奄美でもかなり活躍しました。

『過大なる浮力が創り出す超高速』

こんなキャッチコピーを得た。

Tyler Warren Big Dream Fish 6’7″

.

すでに千葉に戻ってしまったけど、

タイラーのビッグドリームフィッシュも特筆すべきものだった。

速く、しなやかで、そして楽しい。

サーフボードはこうでないと。

Nation Eagle 6’8″

TW 7.75″ Center + VEKTOR VT x 2

.
「究極のボードです!」

そんなふれ込みでサンクレメンテからやってきたボードだが、

その前振りにも負けず、

パドリングは誰よりも早く、

しなやかでさらには高速でも安定するというマジックぶり。

あまりにもうれしいので、

昨日ライアン・イングル博士に最敬礼のメールを打った。

Tyler Warren’s Bonzer 6’4″

.

夜明け前のファーストウエーブ。

ここはかなり良い波。

だけど、アウトにウエッジしてやってくる大セットは、

魔獣そのものだった。

何人も喰らって、そのまま上陸しているのを見た。

おかげでラインナップ周辺は空いていた。

少し前にボンザーは思想だと書いたが、

無限=夢幻でもあるなと、

これを書きながらチラリ思う。

ラカ法王が来島したとは書いた。

その際に彼の親友である天龍さんカップルも来島して、

彼らのコテージでパーティがあった。

サーフ後、

夕陽にならない日没頃だが、

海が見えるところでのんびり飲むのは痛快だった。

これを見ると、

ちょっぴり寒い日でありました。

また私を待っていてくれたパンダ。

彼についてはここで何度も書いているので割愛するが、

私を追跡してくる——一緒に散歩をする猫は、

松風のピースマンギャラリーのロミか、

夢枕獏さんの著書『天海の秘法』に出てくる悟空しか知らない。

すっかりと小さくなったうねり。

海も穏やかになりました。

これは奄美出発前日、

ということは2日土曜日の朝。

『限りなく透明に近いブルー』

村上龍のデビュー作。

この作品の内容は、

存在感が薄い=人物がいつの間にか消えてしまうという、

衝撃的な文体だったが、

奄美のブルーは、

存在感があり、衝撃的な視界そのもの。

こんな風に波の中を見ることができるので、

水中メガネを付けて1日中泳ぎ、

ひどくくたびれたことを思いだした。

さて、今回の台風波のバディだったのは熊ちゃん。

彼はアーティストだとここに書いたが、

何人かから

「熊さんはどんなアートをされているのですか?」

そんな質問があったので、

ここにちょっぴり彼の活動風景を収めてきました。

かれのスタジオ&ショールーム。

全て手作りだという。

造型センスの塊です。

彼のスペシャリティは『ステンドグラス』。

しかも本流を引き継いでの伝統的なものなので、

そんじょそこらのものとは違う。

こちら現在製作中の『波』。

やはり波乗り好きだけに波のモチーフは多かった。

ちょうど鎌倉個展を終えて、

さらには作品のほぼ全てが完売してしまったそうで、

この目でそれら傑作を見ることはかなわなかったが、

熊ちゃんもやはりバリの高間教授と同じで

「コツコツ理論」を熱く説いていた。

(この理論は巻末注釈リンク*1に詳しくございます)

そんなコツコツと火の出るような熱意とが結実して、

熊ちゃんの作品は完成していく。

熊ちゃん家の庭も必見で、

なんでも元果樹園だという。

たくさんのフルーツツリーに、

冬だから花を付けていないけど、

巨大なプルメリア群や暖かい土地の植物に目を惹かれた。

これはCHARくんが撮った。

熊ちゃんのドロップ。

この時の台風波は、

絶望と歓喜が背中合わせにあるようだったという。

すごい波です。

熊ちゃん近影。

いでたちもおしゃれです。

熊ちゃんの息子さん、

開(かい)くんがスーパーカブの改造号で登場した。

カスタムバイクの世界に魅せられていて、

高校卒業後はその業界に就職すると聞いた。

アズサにいるシンヤ木村氏は神さまであるらしい。

(私もそう思います。

巻末注釈リンク*2に木村さんのすばらしさがあります)

開くんは、

こんなカスタムバイクを作りたいのだろうか。

私も単車好きなので、

いつか彼が創りだした夢号に乗ってみたいと思った。

タイラーボンザーと朝日という思考系。

そしてこちらメッキ(ギンガメアジ)のお刺身。

これで300円。

奄美は最高よ〜。

【巻末注釈リンク*1:コツコツ理論について】

超級クドゥング波と教授_POPEYE_40年越しのサーフボーイ_石田さんの銀座天龍_(2097文字)

【巻末注釈リンク*2:神格カスタムバイク煌の木村さんに初めてお会いした日】

生者必滅世VS永遠鉄駿馬_朝の光耀に轟くエンジン音の決意_ヤマハVSカワサキ_MVアグスタVS大陸横断_ハービー・フレッチャー(2286文字)

Happy Surfing!!

【特大号:サーフィン研究所結実報告】波乗道を燃やすバックドアで、天才テッタとのセッション_(3285文字)

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京都にいて、

ラッコ旦那とプロジェクトをこなしている。

そしてここは、

いまだに歴史が続く古都なのだと、

しみじみ実感している。

Kyoto Sakagurakan, Kyoto

.

歳を重ねて分かることがある。

歳を重ねたからこそ感じるものがある。

そんな京都旅。

すばらしい。

さて、

奄美大島に話は戻る。

島にはバックドアそっくりの波があり、

オーバーヘッドくらいからその真価を発揮してくる。

Amamian Backdoor,  Amami Oshima

.

台風2号波が終わり、

小波日を迎えたと思っていたら、

突然サイズアップした。

そんな日。

このサイズならバックドアでサーフしたいと、

突然インスピレーションが降ってきた。

潮が上げてくるのを待ってから波を見に行くと、

いわゆるクローズアウトだった。

ならば、

もう少し潮が上げてくるのを待とうと、

重野玉里店で古典名作弁当を求め、

およそ30分後に戻ってくると、

クローズアウトの中、

ラインナップで波を待っているサーファーが見えた。

2人いたが、

乗るとそれが誰なのかはすぐにわかった。

テッタだった。

テッタは森哲太くんと言い、

プロサーファーであり、

一流のフィッシャーマンであり、

奄美中のGTはテッタと聞くだけで、

リーフの影に隠れてしまうほどであるという。

彼がサーフィンを始めたときのことを緑くんが覚えていて、

「異常な初心者でした」

「それどういうこと?」

「最初からめちゃくちゃ上手かったです」

「ほう」

「ボロボロの板を持ってきて、

干潮のゴボゴボのところを平気でテイクオフしていました」

「手広で」

「はい、もう初心者の頃にこいつは世界に出るな。

みんなそう思っていました」

「すごいんだね」

「はい異常ですテッタは….」

野生児とか、天才、異能人、

そう呼ばれて、奄美大島で生まれ育ち、

湘南に引っ越し、

沖縄にも住んで、

奄美大島に戻ってきていた。

そんなテッタも36歳になっていた。

そんな彼がサーフバディをイッセイくんを連れ、

バックドアの沖で激掘れ波を待っていたのだった。

こちらがテッタのサーフバディのイッセイ。

彼もバックドア好きで、

いつだかのセッションでも一緒で今回も一緒という奇遇。

「ナキさんが、ここをアマミアン・バックドアと言うのでそれが定着してきました」イッセイ

「でしょ。似ているよ」私

「テッタ、ハワイのバックドアに似ているの?」

無言でうなずくテッタくん。

「そっくりだよ。インサイドの危険なほどの浅さとか、

まるでバックドアが奄美に移転してきたかと思ったほどだよ」私

「波を選ばないとダンパーというのも似てますよね」テッタ

「そうそう、ハワイはローカルが良いのをみんな乗っちゃってさ。

ビジターにはダンパーの良くないのをGOGOと言うんだよ」

「行かないとどうなるんですか?」

「まあ当分順番が回ってこないだろうね」

「でももしかしたらメイクしてヒーローになりますね」

「そう簡単だったらいいんだけど」

ーーーーーーーーーーーーーーーー

「イッセイ、お前ビビってプルアウトばかりしとるぞ。

しっかりチューブ入らんと」テッタ

「あれに突っ込めるのはテッタだけがね」イッセイ

「大丈夫。行け行け」

一同笑う。

そんなセッション。

テッタくんと一緒にサーフするのが好きなのは、

いろんなことを教えてくれる。

この日も

「あの黒い岩の上から待って行くと、

ギリギリで浅いところに当たらずに抜けられます」

とか、

「見て理解してください」

とばかりにリップの下からテイクオフしたりと、

すばらしいものを得ることができる。

これが噂のクローズアウト。

簡単ではない。

なぜなら高速で、

切れ上がった斜面から脱出しなくてはならない。

これをミスすると、

膝腰程度の水深で、

その先にあるナイフ級に研がれた刃先リーフの餌食となる。

砂が巻き上がっているのは、

今回の台風2号で、

3Dウエッジ(手広)方面から流れてきた砂がここに推砂したのだろう。

セットの一番良い波が入った。

これをずっと待っていたテッタ。

リップの下部で一瞬待ち、

そこからインパクトパドル全開とした。

グワッガシッと2回漕いだら、

リップの下の位置でテイクオフ動作が開始された。

完璧である。

テイクオフの動作低く、

年季と度胸とテクニックはワールドクラス。

惚れ惚れするほどさすがです。

それでもスタンドアップ時には、

フリーフォールに近いほど斜面が切れ上がるバックドア。

テッタであろうと、

ジャック・ロビンソンであろうと容赦ない。

ズドンと、

レイル加重だけでドロップインをメイクし、

ファーストセクションを狙う。

波の中に段が出現して、

折り紙の折れ線のようにここからバレルは折れるように丸まる。

バレルを目指しているのだが、

わざと遅らせるボトムターンがテッタの真骨頂。

すごい。

そこからフルボトムターンで、

バレル面を目指す。

ボトムで、

レイルを入れ替えてストールした。

すごすぎる。

普通のサーファーがこんなことをしたら、

失速して、

野性のトラが渾身の力で振り下ろした一撃のような魔獣リップを喰らい、

飛ばされて、

そして例のリーフに叩きつけられるだろう。

テッタは違う。

ストールからレイルを使って、

今度は進行方向にフロウさせた。

そのままセットアップ。

ボトムでセットしているので、

スタンディングで入れるほど大きなバレルだと分かるが、

異様に斜面が硬いので、

体勢を低くしないと軽く吹き飛ばされてしまう。

フルレイルでバレルイン。

ノーズにも加重していますね。

レイルワークで減速加速という技術。

今度はテイル側に加重してストールしている。

出口が大きいので、

あえて減速させたのだろう。

丸まった魔獣。

下から吸い上がるように出現するフォームボール。

フォームボールというのは、

リップ(波先)がボトムにヒットすると、

波面に泡の層が出現するものである。

これに乗ると、

ボードは滑るか沈んでしまうので、

バレルメイクには最も厄介なものである。

引田天功ではないが、

フォームボール70%くらいとなり、

滑るところがほとんどなくなっている。

これで80%フォームボール。

残りの20%はバレル内の上部。

上に行けば行くほど傾斜はすごく、

ボード操作の難易度が段違いに上がっていく。

ここで残り10%程度だろうか。

もうメイクすることはむずかしい。

5%だけの斜面。

テッタは泡の中に吸い込まれてしまったのだろうか。

後ろからの爆発で、

泡が前方にウエッジ(合わさって押し出す)している。

出口封鎖寸前。

その隙間から出てきたテッタ。

ボルコムパイププロなら12点のマキシマムポイントであります。

誰もいないバックドア浜が、

パイプラインマスターズのファイナルのようにどっと沸いたように感じた。

さすがテッタ。

すごい!

あいかわらずのワールドクラスなる、

野性時代バレルの猛獣使い。

拙者感服つかまつった。

そう古語になるほど感激してしまった。

一緒に入って良かった。

これを見られて良かった。

Catch Surf ®Skipper Fish Taji Barrow PRO 6’0″

TW Captain Twin + Vektor VT trailer

.

私もスキッパーフィッシュで、

全てのテイクオフをメイクし、

忘れられない波の数々を得た。

このシークエンスはそのひとつであります。

ハイラインだったが、

悪くはないストールとグライドだった。

テッタとサーフして、

また自分の波乗道がぐっと延伸したのを感じた。

体が熱くなった。

自分の中にあるありったけのものが波乗りの熱となり、

それは当分の燃料として燃やしていけるほど熱い。

テッタも燃やし続け、私も燃やす。

すばらしい奄美の、

忘れることのできないセッションだった。

テッタ36歳、私が53歳。

波乗りは執念でもあり、

修行であり、

そして絶やさない胸の高鳴り——鼓動。

さあ、今から波乗り魂を燃やすぞと、

背中を反らし、

腕立て伏せを京都のゲストハウス橘屋でした朝。

Happy Surfing!!

【京都特大号】朱雀門の鬼たち_京都酒蔵館_城陽酒造_東寺_晴明神社_(3177文字)

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Tyler Warren 1973 Bonzer 6’4″

Amami Oshima

.

夢を見ていた。

.

大きくてフェイスがどこまでも広い波だった。

その波にするするとテイクオフすると、

ずっと永く波に乗れて、

さらにどこまでも続き、

疲れ果てるほど乗ると、

上に螺旋状に昇るように乗ることができた。

〜〜この間に何かあったのだが思い出せず〜〜

波に乗りながら雲の上まで昇っていくと、

視界が突然開けて、

朱色の朱雀門(すざくもん)が出てきた。

波に乗りながらピアのように朱雀門をくぐると、

波がなくなり、水が引いていった。

そして青い鬼と緑の鬼が出てきた。

鬼たちは、

低い声で口を揃えて、

「お前の来るところではない」

「お前の来るところではない」

それだけを何度も言う。

周りにもたくさんの色の鬼がたくさんいて、

「お前の来るところではない」

こちらを向くとそう言ってくる。

何やらやたらと恐ろしいのだが、

なぜか逃げ出したくはなく、

そこにボードを持ったまま立っていると、

「応天門だけは通してやる」

そう言われた。

朱色と緑の応天門は、

横にいる鬼の色と同じで、

不思議だと思いながら、

その門の色と鬼の肌を比べていると、

大極殿の前で水が入った椀が出てきて、

赤い方の鬼がこれを飲めと言う。

それを飲んでみると、

信じられないほど美酒で、

「うまいうまい」と赤い鬼に言うと、

「お前の飲むものではない」

そう言う。

どうしたものかと思案に暮れていると、

朝陽がやってきて、

鬼たちは一人残らすいなくなってしまった。

.

そこで目が覚めた。

興味深い内容だったので、

忘れないようにと起きだして、

この京都橘屋万寿寺亭の中で起き出してこれを書いたところ。

ということで京都にいる。

今回は京都酒蔵館の撮影と、

そこにまつわる酒蔵を回って、

京都の日本酒についてを表現するというお題であります。

これは京都酒蔵館のエースである

「京都酒蔵きき酒セット15種」の

北中部、南部の各15蔵の銘酒。

合計30種の各酒蔵の作品群。

それぞれの杜氏や蔵人たちが丹精込めて、

心と人生を入れて醸造したものを地域に分けて15種、

または合わせると30種飲めるセット。

北は京丹後から南は城陽まで、

超味覚とされる橘未知夫さんが選び抜いた京都全域の蔵元の日本酒群。

(京都には酒蔵が44あると聞いた)

京都は古都でもあるので、

早咲きのソメイヨシノがなぜかあり、

少し早い花見酒となって夜は更ける。

一夜明けると、

京都は快晴となった。

橘未知夫さん(手前)は、

橘逸勢(たちばな の はやなり)の生まれ変わりとされているのだが、

私たち仲間の間ではラッコ旦那と呼ばれている。

波乗り世界は厳しいのだ。

彼の案内で、

最南端の酒蔵から行きましょう。

そんなことになった。

「行きましょう」

「行こう」

これではまるで陰陽師内の安倍晴明と、

源 博雅(みなもと の ひろまさ)たちのセリフだが、

本当にそんなことになったのがおもしろい。

さすが京都。

高速道路を経て、

城陽市奈島の、

奈良街道沿いにそれは見事な「しだれ梅」を見た。

これも陰陽師の世界であると、

うっとりとしていると、

ここが京都最南端の酒蔵だという。

京都南部で唯一の造り酒屋

『城陽酒造』さん。

明治28年(1895)創業の老舗酒蔵であるという。

「ここはですね。

木津川の伏流水を使った「純米大吟醸 城陽」や、

青谷梅林で栽培された「城州白」のみを使用し、

添加物を一切使用せず、

三年以上という長期熟成をした濃厚な純梅酒で知られています」

とは、前出のラッコ旦那(橘さん)。

そのラッコ旦那と城陽酒造の大野さんとの語らいは、

今年の大吟醸の出来であり、

原料である山田錦のことであるらしかった。

酒蔵見学となり、

ふたりは今年最後というモロミが入ったタンクに行き、

その出来を話し込んでいた。

これがそのモロミ。

もろみは醪と書き、

発酵中の液体のことだという。

酒母(しゅぼ)、

麹(こうじ)、

蒸米(むしまい)、

そして仕込み水だけで構成されていて、

これらが発酵して日本酒となる。

なので、もろみは「日本酒になる前段階」のものだろう。

このもろみに圧力をかけ、

細かい目のフィルターで漉すと日本酒となる。

その漉したばかりの大吟醸を試飲することになった。

ラッコ旦那は、

「ナキさん、超ラッキーです。

これを飲める機会はそうそうありません」

そう言う。

大野さんは、

「これを摂氏5度で保存し、

瓶詰めして、加熱殺菌したものが製品になります」

そうことになっているらしい。

加熱前なので酵素や酵母が生きていて、

フルーティーな香りがあり、

ふくよかで、キレのあるお味ですと伝えると、

ラッコ旦那は「さすがです」と言い、

大野さんとうれしそうにしていた。

それから、

「梅酒を漬けた後の梅があるから持っていってください」

となって、

その桶に行くと、

梅酒の香りがあたりに充満していた。

うわー!

すごい!

梅酒になった後の梅が、

こんな大量にあるのを初めて見た。

一粒いただくと、

銘品で知られる城州白という梅と、

城陽酒造の日本酒が交ざり、

渾然一体となった美しい純梅酒の風味だった。

「この底に残っている梅酒がまたおいしいんですよ〜」

そんな隠れた逸品をいただいた城陽酒造さんでした。

そのまま次の酒蔵に行くのかと思っていたら、

ラッコ旦那号は五重の塔がある駐車場に入っていく。

空海好きとなった私を東寺に案内してくれるという。

残念ながら仏像の多くは、

この東京国立博物館で26日から開催される特別展に向かっていて、

ここにはないという。

「すいません〜」

ラッコ旦那はそう言うが、

私のお目当ては金剛界曼荼羅図と、

胎蔵界曼荼羅図なので、

精密に復刻した約1mx1mの複製があるというので、

その前で長い時間をかけて閲覧していると、

ラッコ旦那が

「ナキさん、両界曼荼羅図の位置とか記憶しようとしていませんか?」

「あれ、わかっちゃった?」

「そんなことをしなくてもそこにポスターとか売ってますんで、両界曼荼羅図が買えますよ」

「え!」

「そうみたいです。1700円でした」

「そーだったのか!」

そんな顛末でした。

金剛界曼荼羅図。

(Wikipediaより)

胎蔵界曼荼羅図。

(Wikipediaより)

梅と五重の塔。

それから、

「次は安倍晴明好きのナキさんにとっておきの場所があるんですよ」

「なんだろう?古本屋さん?」

「違います。すぐですのでお待ちください」

うぉ!晴明神社!

「そうなんですよ。安倍晴明が祀られています」

「すごい!」

「ここは陰陽師の作品内でご存じの一条戻橋のたもとでして、

その安倍晴明の屋敷跡がここなんですよ」

「ならば博雅とゆらゆら飲んでいたのがここなんだ」

「そのようです」

「むう——」

狛犬もなんだか物語内に出てくるような顔立ち。

五芒星(晴明紋)があちこちに。

安倍晴明像。

ふむふむ。

晴明神社の龍。

後ろには晴明井という井戸が見える。

ここから湧く水は晴明水と呼ばれ、

陰陽道の霊力より湧き出たといわれている。

無病息災のご利益があり、

千利休がここから汲んだ水を沸かし、

茶の湯として利用し、

さらには豊臣秀吉もその茶を服されたと伝えられている。

なんだかすごい水です。

これでコーヒーか、

前出の梅酒を割ったらすごそう。

夜はまた京都酒蔵館に戻り、

夜景と、

お料理写真の数々を撮った。

春の刺身5種盛り。

美しい。

日本の美。

京都の宝石。

今回お世話になった酒蔵館の主要メンバー。

左から今日の主役ラッコ旦那こと橘未知夫さん、

料理長の長山さん、

ソムリエ&部長の羅久井(らくい)さん、

そして広報部SVの山本美幸さん。

ありがとうございました!

【巻末リンク:夏の京都酒蔵館】

圓光寺_京都酒蔵館の衝撃_(1935文字)

Happy Surfing!!

【特大号アゲイン】(ラッコ旦那主役)京都酒蔵館から神戸、嵐の鹿児島空港経由の奄美大島_(3168文字)

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Dragon cape, Amami Oshima

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Catch Surf ®Skipper Fish x Taj Barrow 6’0″

.

ラッコ旦那とのプロジェクトも無事に終わり、

奄美大島に戻ってきた。

島の友人たちは、

私が何も言わずに戻ってしまったと思っているようだが、

4日間の留守でした。

また研究所でサーフィン研究に勤しみます。

どうぞよろしくお願いします。

さて、奄美到着までは、

春の嵐の影響で大変でした。

まずは朝4時に起床し、

ラッコ旦那のアストロ球団号で一路神戸空港へ。

「摩耶あたりで少し混みます」

そんな旦那(ここからラッコは略します)が予言した渋滞を通過し、

到着したのが出発30分前。

京都万寿寺からは1時間半かかった計算となる。

無事にチェックインし、神戸の空に飛び立つと、

眼下に五色塚古墳(ごしきづかこふん)が見えた。

これは神戸空港から南への路線のボーナスだと思う。

明石大橋に四国波と、友人たちを想う。

スカイマークのサクランボ機は、

鹿児島空港へ無事到着したのだが、

空港ゲートにやたらと人がいて、

不穏な空気というか、

怨念と祈りみたいなものが渦巻いていた。

アナウンスを聞いて納得したのだが、

「日本航空鹿児島発羽田行きは、

天候の影響で到着機が当空港に到着できない関係で欠航となりました。

お預けになられましたお荷物は1階のFカウンターでお受け取りの上で、

日本航空1階カウンターで、ご変更や払い戻しを承ります」

そんなことになっていて、

自分が乗るスカイマークはもちろん、

ジェットスター、ANA、ソラシドエアと、

軒並み欠航となっていく。

屋久島、種子島などは、

「到着地が悪天候のため欠航となりました」

到着機を待たずに決めてしまうほどで、

「そんなに天気が悪いの?」

窓の外を見ると、大雨&猛風。

むう、春の嵐である。

滑走路に飛行機は全く来ない。

今日が鹿児島泊となったら空港に泊まろうか?

そんなことを考えていたら、

そらが突然明るくなってきて、

雨足も弱くなってきた。

もしかすると!?

そう思っていると、

なんとANAが着陸してきたではないか!!

すごい!

また一台、日本航空も、

なぜかタイ航空みたいなのまで到着した。

ジェットスターがやってきて、

ついにスカイマークもこの嵐の間隙を付いて到着した。

よーしよし。

けれどこれは私たちが乗るものだろうか?

もしかしたら今日中に奄美に着けるかもしれない。

ほのかな希望が開けてきた。

やがて、

「大変お待たせしました。

スカイマーク387便奄美大島行きは、

ただいまより搭乗開始のお手続きをいたします」

なんと!

30分前までは全て欠航となったのに、

復活の初号機となるようだ。

無事に搭乗すると、なんと夕陽が見えた。

嵐は去ったのだろうか。

このまま無事に奄美大島まで行きたい。

ハートマークを翼に付けたスカイマーク機は、

無事に、

というか強風のため瞬時に離陸して、

奄美空港を目指したというめでたき視界。

さて、京都での1コマ2コマ。

今回の京都滞在は、

名店『京都酒蔵館』のメニュー写真と、

店内外等々の撮影仕事だった。

そんな作品の一部をここにご紹介します。

生湯葉。

料理長・長山さんの包丁さばき。

旦那曰く、

「京都一の料理人」という長山さん。

酒蔵館には京都中から集めてきた銘酒が並ぶ。

稀酒、豪酒、幻酒、珍酒、宝酒、夢酒。

鍋写真の小宇宙。

京野菜3月作品。

個人的に好きだったのが、

この『抹茶アイスクリーム』作品。

なんだか良いんです。

撮影終了後は、

ブツ撮りした全てを「食べちゃいましょう」という旦那。

これは旦那の趣向で、

ホンモノだけを使っていますということ。

つまり、

メニュー写真にはウソの食材、

例えば厚紙やスポンジを挟んだり、

「テカリ」出すためにエンジンオイルをかけたり、

接着剤を使わっていないホンモノだけの料理でした。

(私的には、そういうニセモノ系の仕事は受けないのであります)

酒蔵館裏にはニンジャ道場があって、

甲冑もレンタルできるという。

ならば忍者コスチュームで、

二条城あたりのお堀を水蜘蛛(みずぐも)で渡り、

城壁に取り付いて忍び込むツアーとかやればいいのに。

水蜘蛛の想像図

ウィキペディア(Wikipedia)より

サーファーなので、

「浮くもの」には興味がある。

この水蜘蛛のことを調べてみると、

ninjack.jpさんには、

忍術秘伝書 “萬川集海” から

”水蜘蛛図説”を参考にした”水蜘蛛設計図”というのがあった。

サーファーとしての検証としては、

この使い方はニーパドルと同じく上に座って、

またはボディボードみたいに横たわって、

音を出さないように弱いバタ足か、

ヒヨコが羽ばたくような

「ピヨピヨパドル」だったと想像した。

好きな看板発見。

「ノンノン」といえば、

ムーミンのGFだけど、

作者のトーベ・ヤンソンが

「ノンノンというのは否定的意味があるのでNG」

そんなことになって、

原典の直訳「スノークのおじょうさん」

となったというエピソードがあります。

サバ専用の日本酒があったとは!

旦那の大好きな焼売があり、

それを食べに行きましょうということになった。

「行こう行こう」

源博雅のように返事をして少しすると、

こんな視界が現れた。

この焼売は、

今までのシウマイがなんだったのかと感じるほど、

肉々しく、ジューシーで、そして雄大な味だった。

それから祇園通り経由で、

旦那御用達の黒七味屋に行き、

噂の黒七味を求めた。

最後の夜は、

旦那がアンコウ鍋で打ち上げをしてくれることになった。

どこまでも優しい旦那。

大みそかのタキビナイト以来のアンコウ鍋であります。

(巻末リンクをご覧ください)

まずはビールとレモン酎ハイを飲みながら、

次のお酒の指示を部長である羅久井(らくい)さんに出す旦那。

そこに現れたのが、

なんと、スパークリングワインの奇跡とされる

イタリアの『フランチャコルタ』。

これは部長でありソムリエの羅久井さんのチョイスによるもので、

さすが酒蔵館のマスターであり、

わかりすぎるほどわかっている選択に一同感涙。

私も涙。

「イタリアのフランチャコルタに

三陸のアンコウを合わせてしまいましょう!」

まるで美食俱楽部の海原雄山的な旦那でありました。

吉野葛と京野菜の金時人参、

九条葱(くじょうねぎ)が光った野菜盛り。

締めは私が奄美から持ち込んだ完熟タンカンを、

デンプン質が高い細麺と合わせた

「たんかんそば」をいただき、もうお腹いっぱい。

旦那と料理長の長山さんとで記念撮影して大団円。

ありがとうございました!

さてさて、

各地の友人たちからのお便りをここに。

まずは松風王国王子&ピースマンギャラリーのU-SKEさん一家が、

ノースハワイに行ったこと。

あちらでアロハエクスチェンジのスパーキと会っている一枚。

こちらは渋谷RVCAパーティでのツナくんと、

しょう寅杉本さん。

おふたりが大好きなビンタンビールを飲んでいました。

ヘアカリフォルニアで、

聖式カット中のラカ法王と聖式カルちゃん。

法王と摂政。

摂政はこうして影となり、

法王の公務を支えている。

ウナクネ。

8ホテルの8ラウンジにトロちゃんこと、

トロピカル松村さんが登場して、

聖式カルちゃんと、

松尾さんたちとパーティをしていた。

ラッコ旦那が言う本家旦那も見えますね。

藤沢、ちょっぴり遠くなっちゃったけど、

ウナクネ仲間と飲むのはいいなぁ。

こちらは金沢八景の超名店ロースカが、

開店20周年記念と閉店パーティを同時にしていた。

こちらも泰介さんがいたりと、

それはそれはの大盛り上がりのポストをインスタグラム等で見た。

ナルちゃんは「逗子SURFERSに専念する」らしく、

これからもお元気でいてくださいね。

【巻末リンク:大みそかのタキビナイト出張京都酒蔵館ポスト】

【おおみそか特大号】ありがとう2018年!ありがとうウナクネ(オルタナティブサーフ)の日々よ!_(5139文字)

Happy Surfing!!


【サーフィン研究所:重要】アマミアン・バックドア解析_(2169文字)

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Amamian Backdoor, Amami Oshima

.

アマミアン・バックドア。

私はこの波に魅せられている。

ここでサーフし、

潜り、

干潮時にリーフの位置を確かめ、

グーグルの航空写真を見て、

さらには優人くんが撮ったドローンショットでも研究している。

現在までわかっているのは以下のこと。

こちらは随時改訂、

または加筆修正をしていきます。

こんな解析をすると、

——例によって——

「混んでしまう」

「混んでしまいます」

そんな近代ならではの懸念もあるのだが、

ここは『バックドア』という冠が付いているほどの波で、

すなわち、激浅地区によって手足ズタズタ、

または「額のキズはバックドア」ということにもなる聖域でもある。

簡単に言うと強烈な波である。

ここはボードをまっぷたつにしたり、

3つだったりバラバラに破壊する大山倍達の全盛期の手刀並の威力、

または神話ライオンのような激速前肢リップが降ってくる。

よって、

オフザウォール(OTW)あたりでひょいと乗れる達人クラスでないと、

この波には乗れないと断言できる。

「バックドア(本家=ノースショア)は腰くらいでもブレイクしますか?」

そんなことを聞くが、

それは浅いサーフスポットなのでもちろんブレイクするが、

波サイズによって猫とライオンくらい波質が変化し、

ひとたび爆弾低気圧だったり台風の太く、強いうねりが入ると、

野獣だったり、または魔獣、

さらには前出した神話世界の波となる。

よって、波が上がれば決して混雑しない。

さて、アマミアン・バックドア波質の詳細。

岸から80m沖程度行くと突然深くなる。

そして沖合いには、

右から左に流れる黒潮。

黒潮は世界二大海流の一つであるが、

これに並走するように対馬海流も流れている。

対馬海流は「対馬暖流」とも呼ばれる海流で、

九州西方沖にある温かい黒潮水塊が、

対馬海峡を通り日本海に流入する暖流。

このふたつの複雑かつしっかりとした海流と、

多様多種なリーフ=岩礁のミックスがこのバックドア域の特徴であります。

さて、

この銘波の下に沈むその岩礁(リーフ)だが、

黒い溶岩のようなものに姿を変えたゴジラがインサイドに沈んでいるような、

までる化石を散らしたような岩が数百箇所も突き出ている。

この隆起を調べてみると、

古生代のジュラ紀(約1億9960万年〜約1億4550万年前)

〜白亜紀(約1億4500万年前から6600万年前)

にかけて形成された基盤岩類だとあった。

そんな昔からのリーフ群。

ただ、

インサイドはギザギザだけど、

沖のブレイク近辺は、

3Dウエッジと同様の一枚リーフが重なり合いながら拡がっていて、

さらには沖に向かって礁段丘となっている。

リーフの形を上から見るとこんな形をしていて、

青い部分が浅く、

白い箇所は急深となっていて、

この際、またはリーフの上に砂が付いていたり、

いなかったり。

オレンジで囲んだ箇所がバックドア。

有効うねりは主に3種類。

170°の南うねり以南は、

開いていく波質。

つまり「波面が陸と平行」というのを標準とすると、

乗っていてフェイス、

波面が沖側に向くのを「開く」と表現している。

開くと、たいていの波は弱くなる。

よって、

そこまでのバレル(チューブにならない)。

ただこれはサイズにもよるので断言レベルではない。

次にリーフの基調線と同期する南南東150°。

これは波サイズにもよるが、

うねり角度としては最良最大のバレルを創り出す。

そして東からの回り込みのうねりは明神崎によって、

角度を南南東135°程度に替えてラップ(巻き込む)してくる。

これが寄る波質となり、

頭からオーバーヘッド程度の小サイズならば極上のものとなる。

(「寄る」というのは、「開く」の反義語で、

波が陸と平行よりも内側に曲がってくるという波質)

とにかくここに必要なのは、

長周期の南から南南東うねり(SSEスウェル)。

長周期というのは、

うねりとうねりの間隔が広く、

同じ高さの長い幅を持つうねりのこと。

ビーチブレイクだと、

ダンパーとかクローズアウトという波質が最も良いです。

これは上記したように猛烈な台風や、

少し沖を抜けた爆弾低気圧などがこの長周期のうねりとなり、

それは各々(おのおの)伝説の基となる。

沖にある岩礁や左右の岬から各うねり群は屈折する。

よって、単方向からだけのうねりというのも存在しない。

なので、

重なり合うウエッジ系のピークを形成するのがここの真骨頂で、

ときに感動的なほどのバレル波となる。

さて、

屈折でも正面からでもしっかりとしたうねりが、

バックドアリーフの理想的なSSEラインに乗ると、

うねりは増幅し、

深みから浅瀬による押し出しによって揺れながら、

交差、合致したピーク(ウエッジ)を作り出す。

理想的な風向きは北西320°前後。

ある程度強くても小さな崖、

そして後方には小山があるのでオフショアを弱める。

潮位はオーバーヘッドまでなら満潮140cm前後、

それ以上の波ならどの潮でも良い。

ただ激烈な流れと、岩群に注意すること。

頭を打つのでワイプアウト時は必ず頭をカバーすること。

以上、波詳細の研究報告でした。

バックドアの波に乗る筆者。

キャッチサーフ、

スキッパーフィッシュ6’0″でのレイトドロップ。

Great Waves.

浅瀬奥。

Happy Surfing!!

【サーフィン研究所:テクニック編】他サーファーとの交錯を避けるために_(1683文字)

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Catch Surf ®Skipper Fish x Taj Barrow 6’0″

.

奄美大島の波。

温かく、すっかりと春になりました。

Kyoto Sakagurakan

京都酒蔵館

.

さて、

京都でいただいた食事等がすでに恋しくなっている。

こんな作品も出てきた。

こちらも京都酒蔵館。

こんな視界の美しい店内で、

京都蔵巡り、銘酒づくし。

炊きたての土鍋ごはんの夜もあった。

出汁と味噌のバランスが良い上に、

具の素材にこだわった絶品味噌汁と、

真の牛とゴボウのしぐれ煮、

そして丹精込めて炊いた昆布の佃煮。

もう夢心地の京での食事でした。

ラッコ旦那ありがとう〜!

さて、

サーフィン研究所よりのトピック。

よく聞くのが、

「邪魔をしてしまうのが怖いです」

このことは女の子から多く聞きます。

サーフィンはときに忘れられない波を得ます。

それを台なしにしてしまうかもしれない

「他サーファー」との関係。

一緒に波に乗っていると、

コンフリクト(抵触)というのは多少あるので仕方ないのですが、

視界を広げたり、

「読む」と言われる予測等で妨害や、

接触、激突を防げることができます。

何が邪魔なのか、

そうでないのかも説明しようと思っています。

今日は、

普段からよくある

「乗ってくるサーファーの邪魔をしない」方法を伝授します。

まずは私のテイクオフから。

この波はセクションが前方に連続している。

メインより後ろのピークがあり、

そこからメインセクションに入っていけると確信し、

ピーク内の芯からインパクトパドルを入れてテイクオフ。

波に入りました。

けれど、前方にセクションが出てくるので、

少しでも早くそこに行きたい、

その中に入りたい、

というのがこちらの状況。

そのセクション入り口に他サーファーがいました。

しかも一番行きたかったラインをふさいでしまっているので、

私は彼(彼女)が沖に動いてくれるのを待ちました。

具体的には、

ただ前にパドリングしてくれたらOKでした。

けれど、

なぜかこの人はここでパドリングを止めてしまいました。

なぜ止まるとNGなのかを図にしたのがこちらです↓

そうなんです。

私の行きたいa.b.ラインは、

この人がただ波を越えてくれたら、

それだけで双方ハッピーなのです。

けれどけれど、

この人は全く動く気配すらなかった。

どうしてだろう?

もしここで止まってしまうと、

こちらは動いているわけですから、

あっという間にその距離が縮まります。

こういう時、

こんな場所で動かないのはどうしてだろうか?

考えてみた。

推測だけど、
「どうして良いかよくわからないし、
止まっていれば乗っている人が避けてくれるだろう」

そんな人任せの判断なのかもしれません。

けれどこの人は、

こちらを見てもいませんでした。

仕方がないので、

ギリギリ後ろを通って、

次のセクションに突入したわけだが、

こうなってくると、

「c.の、下から次のセクションに入る(緑)」

そんな選択肢しかなくなってしまった。

結局動く気配はありませんでした。

後方を通って、

事なきを得たように見えますが、

実際はせっかくの波なのに

一番後手、

c.に回った状況となってしまっていること。

静止していたサーファーは、

こちらのことをチラリとも見ていないので、

そんなことになっているとは知りもしないから、

きっと次も、明日も、

もしかしたらずっとこうして他サーファーの邪魔をし続けるのでしょうか。

そうすると、

こういうサーファーがいるだけで楽しいセッションはできなくなり、

この人はこの人で、

他サーファーは私に優しくない、

みんな自分に向かってきて危険だ。

サーフィンはつまらないと思ってしまう。

そんな悪いスパイラルに陥ってしまうので、

ここに投稿することとしました。

[まとめ]

自分に向けて乗ってくるサーファーがいたら、

顔を向けて良く見て、

どっちに滑ってくるのかを判断し、

沖側にパドリングする。

後方にパドリングする、

止める、

または左右に避けるということを普段からしていると、

自分のサーフィンにとっても得るものは多く、

グレイトサーファーへの近道となります。

Happy Surfing!!

ボンザー思想と混ざり合う現実_嵐の奄美大島、東シナ岬の波報告_(1638文字)

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ボンザーは思想だといつか書いた。

(巻末リンク*1にございます)

アレックス・ノストや、

クリスチャン・フレッチャーから借りた真性ボンザーに乗ったとき、

なぜだか波乗思想=本来、波に乗ることで存在している本質が満ち満ちてきた。

または「充ち満ちた」という表記だったのかもしれない。

(このことはNALU誌に書き、このブログにも移植済みです。

 どうぞ巻末リンク*2をご覧になってください)

私は波に乗り続けている。

というのは、

現実の波に乗ることはもちろんのこと、

人気がないところでは必ずサーフィンの格好をして、

自分が波に乗っているのを思い浮かべている。

両膝を内側から外側に引き絞るようにし、

中腹からボトムまで降りる硬い斜面と、

自分に吹き付けてくる風を想像する。

湯沸かし機の前で、

ラップトップの前で、

(たいていは立って作業している。いわゆるスタンディングスタイル)

風呂場でやるときは足下が滑るので、

バックドアやイナリーズのような超高速波の想定とし、

自分がサーフボードごと吹き飛ばないようにと、

滑る足先でスタンスを結び、引き絞っていく。

この鍛錬のおかげで夢の中でも波に乗れるようになった。

今朝方見た夢は、

シェーン・ドリアンことD師範が現れて、

そこはノースハワイで、では一緒にイナリーズへ、

そしてソフトサンドリーフへ行き、

放心するほど波に乗っていた。

目覚めてからも夢に戻りたく、

現実との境を戻ろうとしている自分がいた。

Tyler Warren 1973 Bonzer 6’4″

.

少し前に台風2号が来て夢波に乗った。

上の写真の日だ。

で、

その思想サーフボードでこの現実の夢波に乗ってみると、

ボンザーで述べていた思想というのは、

現実的かつ実践的なのだと知った。

ここで興味深かったのは、

「思想サーフボードでこの現実の夢波」

という言葉です。

思想(理念)/サーフボード(現実)

現実の夢波というのは、

その現実と思想が混ざり合った状態を意味しています。

反義語というか、現実と理法が同等に会している。

英語で言うequality(対等)という表記が一番正しいかもしれない。

この混ざり合いのことを考えてみると、

「世は無常」
「諸行無常」

というふたつの言葉が浮かんできた。

常ではない→動いている。

宇宙全体、全てがことごとく動いている。

思想も動き、現実ももちろん動く。

これこそが、

京都東寺で見た両界曼荼羅図なのではないかとチラリ思い、

タキビシとラッコ旦那の顔を思いだしていた。

タキビシのトレードマークの袢纏と、

旦那が「おいどん」と自分のことを呼ぶことも。

さて現実。

海が荒れた。

東シナ海方面に行くと、

やはり岬周りがサーファブル、

波乗り可能なスポット群となっていた。

↑ 写真で見ればまともだが、

実際は流れと、

向かい風で沖に出ることは容易ではない。

↑ この崖の下は、

ドラゴンファーストと呼ぶ。

Bパスで喰らって、

流されると、この湾内に入ってくる。

↑ これはそのドラゴンファーストのインサイド。

とっても弱い波質なので、

ログやロングボード、

フィンレスやミニマルなどが楽しいだろう。

こうしてラップしながら入ってくる。

もっと書くと容易な波質なので、

自分が上手になったと実感するほど、

波乗りに適した波質なのであります。

Bパスまでたどりついた。

この波は例によって、

安倍晴明と蘆屋道満が同居しているような、

天国と地獄のような波質でありました。

これが今借りている軽バンで、

この中をキャンパーにするプロジェクトをしています。

詳しくはまたここでご報告しますね。

【巻末注釈リンク*1:思想ボンザー】

【サーフィン研究所スペシャル】いにしえのサーフボード編:タイラー・ウォーレン1973ボンザー@奄美大島_(2222文字)

【巻末注釈リンク*2:赤いボンザー(講談)】

【落語】赤いボンザー by 鰻楽_(3230文字)

【巻末注釈リンク*番外編:DFWについて】

【巻末注釈リンク*番外編2:バリー・マッギーについて】

【巻末注釈リンク*バンガイヘン・スリー:赤いボンザー原典日】

Happy Surfing!!

【サーフィン研究所】奄美大島と低気圧_テイクオフまでの機敏_キャッチサーフ直営店_諸行無常の故郷店_(1692文字)

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「これだ!」

「いや、あのふくらみが気になる」

「!?スルーして見てみよう」

「やはりあのふくらみは簡単に崩れるぞ」

「なぜだ」

「深いはずのチャンネルに砂が溜まってしまっている」

「それならば奥だ、奥のピークだ」

「黒い岩の前で賭けではないが、良い波ハンティングをしよう」

「そうそう良いのは来ないけど、絶対に来ないわけではない」

「他にサーファーは誰もいないし、来たら乗るだけ」

「シンプル」

.

.

(中略)

.

.

「来た」

「ショルダーの角度といい、こんな極上のうねりが来るとは!」

「待っていて良かった」

「ピークの中にある芯を見つけ出した」

「ギリギリまで波に近づいて」

「芯とテイルが合わさるようにボードを返し」

「出来る限り波の中に食い込ませるようにテイルを沈ませ」

「一気にインパクトパドル」

「グザバッ、グゴバッと二回だけ、

そして信じられないほど重くして、深く強く漕げ」

「(ボードを)波の下に落とすように、

自分も一緒に落下させながら立ち上がる」

「低く、低く」

「下に風が入る、レイルが合わさった」

「時間が止まった」

そんな思考のキャッチボールを思いだした。

Catch Surf ®Skipper Fish 6’0″ Taj Barrow Pro

TW Captain Twin + VEKTOR VT Trailer

Amamian Backdoor, Amami Oshima

.

奄美大島の前を大きな低気圧が通り過ぎていった。

激烈な雨が降り、

強烈な南西風が吹いた。

そして正午頃、

北西に向きを変えた強い風。

波は予想していた風波ではなく、

長周期波で来ていた。

低気圧の中心から奄美大島ぼ沿岸までおよそ200〜250km。

近くを通る低気圧なのに、なぜ長周期のうねりとなるのか?

推測としては、

この大きな低気圧は、

陸側に向けて猛烈な風を吹きつけ、

波の基になるうねり群を次々に創り出していた。

いや、創り出し続けた。

いわゆるセット波というやつである。

そのうねり群を待ち受ける沿岸側から、

うねり群を押しつけるほどの猛烈なオフショアが、

瞬時にうねりの凹凸やコブを除去し、

さらには整列させていたのではないか。

そんなことを考えながら波を待っていた。

すると、

波はまるでそのようにやってきては崩れていった。

これは数日前の嵐の始まり、

晴れているが海は荒れ始めていた。

[キャッチサーフからのお知らせ]

キャッチサーフ本社は、

カリフォルニア州サンクレメンテにあり、

ここはサンオノフレやトレッスルズ、チャーチ、Tストリート、

そしてサンクレメンテピアやステートパークを擁する世界有数のサーフタウンです。

このサンクレメンテのデルマーストリートに、

キャッチサーフの直営店2号店がオープンしました。

(1号店はラグーナ・ビーチ)

オリジナル・クロージングと小物の数々。

「ハイエンドに作り込む」

というのがテーマですから、

それはすばらしい完成度であります。

ボード群もこの通り。

NAKISURFもいつかこうなりたい。

キャッチサーフ好きとしてはもはや芸術。

このプロジェクトはじつは五年前くらいから進められていて、

物件待ちだったのです。

そのくらい良い場所にあるので、

サンクレメンテに行かれた際はどうぞお寄りください。

(デルマーストリート=サンクレメンテのピア通り)

さて、

奄美には『エブリワン』というコンビニエンスストアがあった。

数年前からそれがファミリーマートとなった。

調べてみると、

「宮崎、鹿児島両県に所在する全ての店舗は、

南九州ファミリーマートに経営譲渡された」

とあり、

つまり売却されてしまったのであります。

私はノースハワイで、

昔から伝わる伝統的なお菓子や軽食を売っていた

『メネフネマート・ラワイ店』が、

セブンイレブンに売却され、

それらお菓子や軽食は、

売ってはいるが、添加物だらけの、

味も色も重さも全く違うものになって涙した一人なので、

こういうのにはつい悲しくなってしまう。

さよならエブリワン。

嵐で出来た波は、

まるで大魚の鱗(ウロコ)のようになっていて、

ずっと見続けてしまった。

Happy Surfing!!

【サーフィン研究所】バックドア_ヤンググレイト・リト_コブシメとチョウメイソウ_(2006文字)

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Catch Surf ®Skipper Fish 6’0″ Taj Barrow Pro

TW Captain Twin + VEKTOR VT Trailer

Amamian Backdoor, Amami Oshima

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猛烈な低気圧が通過したので、

波は前日と同じか、

またはオフショアに押されて小さくなっているか、

もしかしたら大きくなっているかという予想だった。

結果はオフショアに押されてかなり小さくなっていた。

けれどこれこそが自然の理(じねんのことわり)であります。

けれど、浅いバックドアも170cmという新月流れの潮と、

先日の台風2号でやってきた砂州(サンドバー)によって違う波にも見えた。

たまにバックドア風味のセットがやってくる。

晴れてきて快晴となった。

楽しいセッションとなった。

アキラくんがいて、彼は息子と一緒にサーフしていた。

リト(理人)くん、16歳。

この息子のサーフィンがとても上手だった。

テクニックだけでなく心もだ。

トップからボトムを使う本格派を下地に、

トップアクションではヒネリやひっかかりを使えるので、

回転の速度まで操っていた。

3Dウエッジや先日波が上がったVBでも彼を見たけど、

すばらしいマナーで、

誰かが波を得ようとしていて、

そこが良い位置だと瞬時に判断すると、

すぐにテイクオフ姿勢を解き、次の波を探す。

若くして達観し、さらに遠観の相もあった。

しばし彼の波乗りを見学する。

それはこうしてGoProだったり、

陸からツナマヨおにぎりを頬張りながらだったりした。

リトくんは、

ボードコントロールに対しての揺るぎない自信があり、

ほぼミスしないことを利用して、

インサイドの岩岩セクションでエア、

しかも回転系をしていた。

子どもの頃からここでサーフしているので、

岩の位置、潮による深さも知り尽くし、

さらには自分のターンに対して確信もあるからだろう。

次世代、しかもグッドサーファーはうれしい。

健康にずっとサーフィンをし続けてください。

また会うのが楽しみです。

さて、

食料を求めてビッグ2に行くと、

こんな大きなイカが獲れていた。

ラベルを見てみると甲いか(こぶしめ)とあった。

コウイカのことを調べてみると、

高級イカとして取引されていて、

泳いでいる姿の画像があった。

おお、これこそは宇宙からの生きもの、

または宮崎駿さんのファンタジー世界である。

それにしても最初は誰が食べたのだろうか?

かわいいようで、妖気漂う生物と見受けられた。

熊ちゃんにコブシメさんは食べたことがありますか、

刺身でしたか?

そう聞いてみると、

「固くてそこまでおいしくありません。ミズイカの方がおいしいですよ」

そんなことになっているらしい。

ミズイカの語感にトロイカを思いだし、

トロイカは「3つ(のば馬車)」という意味でもあったと、

トリニティ(三位一体、trinity)、

そして三神一体(さんしんいったい)、

トリムールティと3つの神については全て同じなので、

神話的にある話なのだと気づいた。

他に気づいたのは、

野菜はまーさん市場か、

味の郷かさりがすばらしい。

ふだん草は、

ほうれん草の仲間だそうで、

アメリカではスイスチャードとして知られている。

ふだん=不断という名の由来は、

“季節に関係なく収穫できる”

人にとって優れたところから付けられていた。

ドラゴンケープの岩場は、

ただただ岩。

植物などはなにもない。

けれど、

稀に岩の隙間に生えているのが長命草。

じつはこの葉の薬効にモリンガ同様に目を付けているのだが、

すでにパウダーとなっていた。

これは効きそう。

大根が旬。

獲れすぎているようで値崩れしている。

こんな大きなものが80円。

野菜の不思議。

このもっちり餅にはまっていて、

その理由は「味がないこと」。

私は素材の味が好きだ。

なので、

お餅は何も付けずに食べるし、

食パン等も同様である。

こんな味覚は珍しいのかと思っていたら、

ベンチュラセイジのコータ王子も同様らしく、

ケーキなどは上部をお姉ちゃんに全て食べられて、

下部のスポンジだけを「ハイドーゾ!」と出されている。

もっちり餅をいただくと、

お餅の味にうっすらとさつまいもの風味を感じ、

私を昭和45年の夕焼けに引きずり込むのでありました。

とにかく糖分は餅であり、

さつまいものほのかな甘さのみである。

月桃(げっとう)の葉で巻いてあり、

その甘いような切ない風味もまた感動的でありました。

はて、

奄美大島は黒糖の産地なのに甘くないお菓子があることを調べてみると、

ここが薩摩藩に属している時代までさかのぼった。

当時は年貢の取り立てがきつく、

島民は自分たちが育んだ作物全てを年貢としてお上に差し出していたので、

砂糖がなかったと、そんな悲しき歴史を知ることになった。

お菓子ひとつにも、土地の歴史があるのです。

【島最後となる郷土お菓子の郷メネフネマートの最期】

ノースハワイ島の友人たち_さよならメネフネマート_NATIONランボルギーニ_CJネルソン・サーフボード_(1299文字)

Happy Surfing!!

 

【サーフィン研究所:告知&テクニック編】バックドアのレフト_神経痛とキャッチサーフ_嘉徳を救え!_ボヨン_(2079文字)

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キャッチサーフばかりに乗っている。

理由は、

波乗りしすぎると出てくる『肋間神経痛』のせいで、

PUボードでパドリングをすると、

その患部とボードが当たって激痛が走る。

キャッチサーフだと痛まないので、

患部が治まるまではこうしている。

おかげで毎日サーフできる。

寄る年波、

膝もまだ痛むが、

こうして健康でいられるということに感謝している。

Catch Surf ®Skipper Fish 6’0″ Taj Barrow Pro

TW Captain Twin + VEKTOR VT Trailer

Amamian Backdoor, Amami Oshima

.

バックドアのレフトはパイプラインだが、

アマミアン・バックドアはバックドアのレフトとなる。

なぜならアマミアン・パイプラインはこの奥にあるからで、

ブレイク名の混同を防ぐための措置となっている。

むずかしく書いてしまったけど、

そんなことなのであります。

波はすっかり下がってしまって最小サイズ、

けれどサーフ可能です。

[大切なお知らせというか叫び]

碇山勇生くんという、

奄美版シェーン・ドリアンというオーシャンマンがいて、

彼のインスタグラムを見たら驚いた。

@ikarip

昨日は大好きな嘉徳海岸へ🌊

奄美大島でも唯一のビーチブレイクのスポットで、

海、山、川がある素晴らしいスポットです。

出来る事なら手付かずのままで、

未来の子供達に残すべき素晴らしい海岸だと思います。

ここに、高さ6mの護岸工事をするのはやめて欲しいです。

瀬戸内町、鹿児島県、嘉徳集落の皆さん、

護岸を作ってしまうと二度と元に戻す事は出来ません。

このきれいな海岸をこのまま次世代に残す事が島の財産になるのではないでしょうか。

工事が今月18日から着工すると聞きましたが、

本当に大丈夫でしょうか??

今一度たくさんの方々で、

島の子供達に何を残すべきか考えた方が良いではないかと思います!

全国、島の皆さんどうしたらよいのでしょうか??


拡散をお願いしつつ、

マスコミの方がいらっしゃっいましたら、

ぜひ取材に訪れてください。

お願いします。

突然でなんと言っていいのか。

こういうことを気にしている勇生くんですら、

実際に一昨日嘉徳に行ってこのこと——

護岸、

要は堤防工事が開始されることを知ったということ。

かなり秘密裏に行われています。

6.5mというと凶悪犯人が入所する刑務所の塀よりも高いです。

海岸から海が見えなくなります。

しかも人の手が入っていない古代から続く唯一の海岸です。

感動するほど美しい海岸の嘉徳。

ここがなくなると、

日本にはどこも無垢な場所が残らなくなる。

1度は古代魚リュウキュウアユの産卵地だとか、

世界遺産登録のために却下された計画だった。

また例によって利権だったり、

工事関係への益により、

かけがえのない自然が失われます。

高さ6.5mの堤防、500mの長さ。

そんなもので囲んでも侵食はするし、

津波だって防げない。

そんなくだらない無用な将来の巨大ゴミに税金を使うのなら、

ビーチクリーンや水質保持に行政は予算を投じるべきだ。

私は頑としてそう思います。

助けよう嘉徳海岸。

古代からの美しき財産。

(巻末リンク*1に前回の撤回までの

いきさつを書いたポストをリンクしておきました)

閑話休題。

龍郷町の町役場近くに

手打ちうどん屋さんがあるというので行ってきた。

これがそのストアフロント。

禁煙店で、

ラジオもかかっていて、

清潔で快適な店内だった。

本格と聞くと、

土佐清水のうどん上人マナブくんを思い出す。

(巻末リンク*1に)

うどん小、

豚肉付け汁と野菜天ぷらを注文すると、

この視界が現れた。

マナブくんと違うのは、

美食俱楽部の海原雄山や、

京都四条烏丸酒蔵館の橘未知夫、

ベージュの小島景たちが浮かび上がらかなったこと。

やはり思想をうどんに練り込まないと、

その域にまで達しないのだと知った。

【テクニック編】

これは千葉の写真だけど、

冷たい水に沈まないでも沖に出られる方法があるので、

今日はその授業をします。

まずはある程度パドリングで波へ向けての速度を得て、

波の頂上に向けてノーズを持ち上げます。

持ち上げたノーズを波がさらに持ち上げます。

しっかりレイルを持って、

テイルがずれないように膝で押さえます。

すると、

泡が自分を持ち上げるので、

先ほどの体勢を崩さずに押さえ続けましょう。

このように持ち上がったら、

ボードと体を合わせていきましょう。

お腹とボードを密着させればOKです。

そのままパドリングの姿勢になりましょう。

これで完了です。

顔も濡れずに、

大きなサーフボードでもできますし、

かなり使える沖に出るテクニックです。

私たちは『ボヨン』と呼んでいますが、

真面目な業界的には「プッシングスルー」と言われています。

スルーしないから「プッシング・クライム(昇)」

の方が体を表しているのだが、

名前よりも重要なテクニックで、

永年使用できます。

【巻末リンク*1:1度は撤回した嘉徳海岸】

【奄美回想編】嘉徳を守った古代ガメとリュウキュウアユ_リベートと引き換えに海岸欠損_(2088文字)

【巻末リンク*2:四国うどん神マナブくん】

【土佐清水編】讃岐国多度郡屏風浦のうどん上人マナブくん_(1881文字)

Happy Surfing!!

【サーフィン研究所特大号:炎上承知の真実】波乗りとは、サーフィンとは?_(4789文字)

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Tyler Warren 1973 Bonzer

Amami Oshima

.

これは少し前の台風からのうねり。

それにしても冬によくもまあ、

ここまでの波が立ったと、

今さらながら実感している。

「最大風速75m」

猛烈激風を発生させた台風2号からのうねりが、

この奄美大島の沿岸に向かってきていて、

結局は5日間くらいのグレイトサーフデーをもたらせた。

これは今日。

良く晴れて、

この4日間は快晴と呼べる時間が多くなった。

奄美大島はすっかり春模様、

もしかしたら初夏そのもの。

バックドアのリーフのゴジラさがここに写っている。

レンタカーでキャンパーバンを作るプロジェクトをしていて、

しかも軽バンのスズキエブリィ。

蚊帳風のネット、

そしてかなり快適なベッドが完成しています。

話は変わって、

明治15年に柔術から柔道となった由来の講道館の話を読んでいるが、

当て身もあるし、

沖縄で発生した手(ティー=唐手、空手)や

ヤマト式合気道(後の大東流)、

そして殿中秘伝であった御式内までも内包した柔術。

明治という時代は、

命をかけてそれぞれが戦っていた。

姿三四郎のモデルとなった西郷四郎などは、

異常に強かったようだ。

サーフィン界では寵児としてその名を知られるジョエル・チューダーは、

その講道館柔術が、

前田光世(まえだ みつよ)という柔道家を輩出し、

アメリカに渡り、ブラジルに行き着く。

コンデ・コマ(Conde Koma)というリングネームで、

生死をかけた真剣勝負を多く含み2000戦勝無敗、

「人類史上最強の男」となりブラジリアン柔術が誕生した。

長くなったが、

ジョエルはその前田光世が伝えた柔術のワールドチャンピオンである。

そのジョエル相手に、

「例え彼でもノーリーシュなら殴る」

そう豪語する人が日本にいるようで、

調べてみると、

武道家ではなくサーファーだった。

とにかくノーリーシュが嫌いらしく、

なぜこんなことが彼に触れるのかが全くわからない。

(アレックス・ノストから聞いたが、鵠沼にも変な人がいるらしい)

そのことを発端として書いたのが、

先月号のNALUの私コラム。

まずは、

「なぜジョエル・チューダーがノーリーシュを善しとしているのか」

ということについて誰も何も考えていないのではないだろうか。

同様にJOBがバックドアでリーシュをしていないことに、

どこかの波情報サイトが触れた途端に炎上していた。

「リーシュしろよ」

「危険だ」

サーフィンを少し知っていて、

海がどこにあるか、

ノーズやフィンの位置がわかる程度のサーファー風の方はそう言うが、

バックドアでボードが流れてくる場所からパドルアウトするサーファーは皆無だし、

そんなところでゲティングアウトしたら、

それこそ笑いものとなる。

それをバックドアでボードを流して、

パイプラインからププケアに流れ出る強烈なカレントがあるが、

それを泳ぎ切るサーファーをサーフィンをするのに尊敬できないのはどうも変だ。

そのサーファー風の人は、

「リーシュしろよ」

というのを、規則だからと言って

「下着履けよ」

「シャツのボタンは上までしろ」

「唐辛子を50gかけろ」

「寝るとき帽子かぶれよ」

上記のことが規則だとしたら、

見ず知らずの人にそう強制していることに等しい。

まあ、

そのくらいノーリーシュの人が、

平気でボードを流しているという背景もあるのでしょう。

冒頭に書いた史上最強の前田光世の2000戦無敗ではなく、

3本に一回は蹴り出してボードを流して、

照れ笑いというのが気に入らないのでしょう。

NALU誌の人気連載『男の水平線』で、

その著者小川徹也さんは、

リーシュをしない派=オーシャンマンたちの立場を代弁し、

「俺たちはボードを流さない」

「お前らと一緒にするな」と書いていたが、

まさにその通りであります。

サーフボードは真剣勝負、もしも、もし流したら命がけで泳ぐ。

他のサーファーはボードが流れてくるところでパドルアウトするな。

同じことがいつかの逗子サーファーズ岬で話題となった。

みんなここでサーフィンはするのは良いのだが、

ポイントブレイクに来たときにどこからパドルアウトしていいかわからず、

他のサーファーを妨害する箇所でパドリングしている。

20m横、チャンネル側にずれたら、

ダックダイブの必要性は皆無というほどのパーフェクトブレイク。

簡単に言うと、

交通量の多い国道等で歩道ではなく、

車道を這っているほど危険なサーファーたちが、

「ボードが流れてきて危ない」

「規則を守ろう」

と言っていることもわかっていない。

規則というか、

波の大原則すらもわかっていないで、

目上の人に正論だと思って挑んでくる。

下手をするとこういう人に殴られる。(笑)

同様にこの話になったときに、

「保母さん帽をかぶり、

クロックスを履いて波乗りしに来ている軟弱サーファーのように、

少しでも無理だとボードを蹴り出す奴らと一緒にするな」

そう言っていた先輩がいたが、

これは勝手に決めたルールという正論に似ているようなものを持ち出し、

支部だとか、

ローカル(海の側にいてなぜそういうのかの意味がわからないが、本当)、

そんなことを持ち出してきているので、

お互いの意見が喧喧諤諤(けんけんがくがく)となっている。

危険だと言われると、

一瞬、どれが正論かわからなくなっているが、

よく考えると変だと気づくだろう。

波乗りは安全だなんて誰が言ったのだろうか?

先日も台風うねりがまだ残るブレイクで、

チャンネルに浮かび、

ふにゃふにゃと、

ただ逃げているだけのサーファーたちがいた。

その彼の横を通ったときに、

こんなの喰らったら死んでしまうと言っていた。

実際にインサイドの泡波に引っかかっただけでパニックになっていたが、

もし沖に流されて、

セットがシフトしてきて、

真上でブレイクしたら100回中100回溺れてしまうだろう。

そんなサーファーたちが10人もいた。

中には外国人もいたから、

「こっちでやりなよ。そこじゃ乗れないよ」

そう言うと、あきらめて上がっていった。

「経験だから」

とか、

「近くで波を見たい。チャンネルにいれば安全だからと聞いた」

そうは言っても海には流れがあって、

誰もまともにパドリングすらできないので、

あのか弱い流れにすら負けて、流されていたではないか。

さらにはライディングラインにいて、

近くを通ろうとすると、

パニックになってこちらにボードを投げつけてきたり、

もうさんざんな人たちであった。

この中で誰かがリーシュを切ったとしよう、

あの強烈の流れの中、

陸まで200mは軽くある。

泳げないだろうし、

そうなったとき彼らは一体どうするのだろうか?

沖でそんなことを熊ちゃんと話していた。

リーシュが切れたときに、

ケロリと泳いで陸に戻ってくるのがサーファーであり、

そもそもパニックになる波なんかに入らないのもサーファーである。

それが前出したように

「リーシュしろよ」

そうすごんでいる人たちに限って、

「大丈夫、安全だから」

そんな無責任な言葉を追い風として弱者をパドルアウトさせ、

その弱者は何もわからないままパドルアウトすると、

陸で見ていたときよりも数倍以上の波がやってきて逃げまどう。

または小波オンリーで、

胸以上は怖いと言ってサーフしない。

小波オンリーだから保母さん帽をかぶり、

髪の毛がまとわりつかないと言って喜び、

足が痛いからと言って波打ち際までクロックスを履いていき、

さらにはワックスが塗りやすいからと、

サーフボードスタンドを車の後ろに出してきて乗せてやっている。

さらにはパーフェクトレフトでレギュラー側に逆走し、

「バックサイド苦手なんです」とのたまう。

サーフィンを1度見つめ直してもいいのかもしれない。

「かっこいいもの」

そんなことはない。

武道同様険しい道である。

小波が、

適当なことを教えるサーフスクールが、

そしてリーシュが、

海で遊べないサーファーを創り上げていることを。

波乗りの本質は波に乗ること。

その足裏を鍛え、

自分が乗るべき波を認識する眼力を持ち、

流れを読み、

そして潮と風向きを知る。

ワックスを塗るときは、工夫して塗るもの。

それがサーファー。

けれど今は、

波情報を見て高得点のところに行き、

波情報に書いてある推奨ウエットスーツを着て、

波のピークもオープンフェイスもわからないまま、

ただサーフィンのマネごとをして、

ローカルと言われただけで跪(ひざまず)き、

その場を取り繕うことは上手で、

最新サーフボード(しかもショートボード=乗れない)を持って膝腰波に乗って、

人が前にいたから危ないと、

ボードをその人に向かって蹴り出し、

さっと、リーシュをつかみ、

その人に当たらないように調節できるだけで、

自分はサーファーだと思い込んでいるのではないか。

無論、

その人たちがサーファーだと思い込んでいるから、

「ノーリーシュ禁止」

そんなことを呪文のように言っているのではないか。

さらには支部をあげてこのようなルールを決めたところもあった。

絶句。

すぐにこの支部長に連絡して話したが、

「危ないから」の一点張りであった。

けれど、

そんなルールもジョエル・チューダーがやってきたり、

ジョンジョン・フローレンスやケリー・スレーターたちが来れば、

彼らはノーリーシュでサーフすることになる。

そのときに「日本のルールです」

そう胸を張って自分でそう言うのか、

または前出したように、

「誰でも殴る」

それを実行するのかはお任せするが、

もう一度、今一度、

サーフィンの本質を見つめ直すべきだと思う。

そうするとあの保母さん帽も、

スレるからと着用していた競泳用パンツも、

リーフが痛いからとブーツを履いたのも、

ワックスやボードバッグの出し入れが楽だからという理由だけで、

ボードラックを持ってきて自車の周りに並べておくことが、

全て恥ずかしいことだとわかる。

サーフィンとは、

大自然を相手にする遊びで、

しかも荒れた海が良いときている。

もしそれを安全にさせたいのなら、

波の出るプールで監視員付き、

さらには浮き具付きでやればいい。

もしリーシュが絶対に切れないのなら、

それが命綱となるので必要なのかもしれないが、

そんなリーシュはどこにもない。

逆にリーシュをしていることで危険となることがある。

実際に知人の娘さんが、

海にあった障害物にリーシュがからまって亡くなっている。

そのこと——単面だけのことで他人を攻撃したり、

抑制させるのはサーフィン世界にとって、

日本のサーファーにとって危険なことだと思っている。

長くなったけど、

NALU誌にこんなことを書いて一月が経った。

「よくぞ書いてくれた!」

肯定的な意見も多くいただいたが、

「ファンだったのに残念です」

そうとも聞こえてきた。

そんなことでファンでなくなってくれるのは逆にうれしく、

これこそがハッピーサーフィンの読み違いだと感じて欲しい。

波乗道が険しく純粋なものであるのは、

海の危険があるから。

真剣勝負の遊びを越えた命の機敏であり、

息吹を感じ危険を察知するという能力が備わってくるのだ。

こうして、

これが危険です。

はい→これ

次に巻かれて苦しいです→はい水中ボンベ

そんなサーファーが増えることになるのだろうか。

武術で言うと顔が全部隠れるフルフェイスのヘルメットをかぶって、

脊髄固定鉄板を入れて、

深海作業員みたいな防具を着用して空手10段と言っても誰も信用しないぞ。

私は、サーフィンの本質を伝えたい。

危ない日に「チャンネルにいれば大丈夫ダイジョウブ」

そう言って他のサーファーを送り出したことはなく、

さらには泳げなくても大丈夫、

顔も濡れないので保母さん帽をかぶってもいいですよ、

そんなことを言ったことも1度もない。

サーフィンを今一度考え直してみよう。

息を大きく吸いこみ、

波の下に沈んで祈るような気持ちもサーフィンの持つ重要な真実であります。

Happy Surfing!!


【サーフィン研究所】奄美いろいろ_巨大護岸から嘉徳を救え!_絶品タンカンそば_ラングドシャアート_(2736文字)

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GoProで波の下、

海底研究をしていたらウミガメ(ホヌ)が映っていた。

このウミガメはバックドアにいて、

波待ちをしていると横に顔を出してくるほど慣れている。

慣れているのではなく、怖くないのだと気づいた。

まだ小ガメなので、

サーファーから怖いことをされたことがないのだろう。

そのカメとか、

最近の映像をつなげて動画を作ったが、

ファイルサイズが大きすぎて、

YouTubeにアップできずにいる。

島はハイスピード回線がないので仕方ない。

モスバーガーに行けばいいのか。

布団を干しながら、

キャッチサーフも干した図。

快晴の午後は、

大瀧詠一か山下達郎の楽曲世界を具現化してみた。

キャンパーだと、

いつでもどこでもリビングルームが現れる。

西湘トニー・スタークこと、

ニックちゃんの計らいでDONT PANICという

ハイブリッド・リーディンググラスが届いた。

まだ老眼ではないが、

「暗いと、小さな文字が読みづらい」

そう言ったら「軽度の老眼です」と言われた。

まだ平気だと思っていたら、

これをかけると一味唐辛子の赤い粉は、

さまざまな赤から成り立っていると知った。

または文庫本の奥付のルビだったり、

全て読めるのはもちろん、

紙質の薄い茶色の粒とかも見える顕微鏡状態となった。

マクロな視点となって、

さらにはサングラス効果もあるので悪くはない。

ニックちゃんにお礼をすると、

ちょうどサンディエゴに到着されたところで、

「タコスとコロナビールでやってますよ〜」

そんなうれしきめでたい返信があった。

グラシアス!

【お知らせです】

先日ここでお知らせした嘉徳海岸の護岸工事について。

キャンネンサーフのユウセイくんのところに行ってみると、

電話が鳴り止まないほどの対応に追われていた。

その電話の間に話してみると、

今まで反対を唱えていた人がいて、

地元民に対して、

地元メディアに際して高圧的だったので、

こんな結果になっていたのではないか、

これからは弁護士もいて、

しっかりと順を追って反対を唱えていきますとあり、

それには多くの人の後押しが必要です。

ここでサーファーは一つにまとまって、

「嘉徳を護った」

という結果になるように応援してください。

行政もあの手この手でこの護岸計画を進ませようとしていて、

最初は8.5m高の530m長の護岸だったのを、

6m高の180m長と1/3縮小してきた。

さらにはその上に砂をかけて、

アダンを植栽するというごまかしで、

住民や島民を欺こうとしている。

「こんな堤防に砂をかけて隠したって、台風が来たら一発で砂がなくなります」

ユウセイくんはそう言う。

しかもこの堤防を作ったら、

嘉徳の砂浜は全て流失し、

どん深の地形となり、もう2度と回復は不可能となる。

署名も2万3000人集まり、

1度撤回されたこの護岸工事。

しかもこの護岸の必要性について十分な検討がされていない状態で、

工事だけが先走っているという。

しかも最初に三億円が投入される工事だという。

これはつまり、

区長だか誰かがリベートとなる大金を建築会社かどこかから掴まされていて、

それによって、あの手この手のゴリ押ししているのだとわかる。

しかもお分かりの通り税金です。

わかりたくないけど、

もうさまざまな場所で同様のことを見ていて、

誰が儲かって、次世代が大自然を失って損をする。

その世代にはお金を儲けた人はもういないから関係ない、

そんな図式が見えすぎるほど見える。

ああ悔しい。

「このきれいな奄美の海をコンクリートだらけにしたくありません」

前出のユウセイくんの本音だが、

奄美大島は「ウエルカム精神」に満ちた場所である。

私がどこでサーフしても文句を言われたことはもちろん、

みんな笑顔で接してくれる。

そんなすてきな場所に私は恩返しをしなくてはならない。

誰か取材に来てください。

マスメディアにこの悪が公開されたら

瞬時にこの工事は中止となるのだから。

辺野古はアメリカ主導だから、

国際政治が入っていてむずかしいけど、

これは地元案件。

しかも裏で黒いものが蠢いている魔界系なので、

人間が目を向けて、

工事完全撤回を要求するべきだと感じています。

詳しくは、

最後の “ジュラシック・ビーチ”奄美大島・嘉徳海岸を 巨大な護岸建設工事から救おう!

上のリンクから入り、

右側にある「賛同」ボタンから、

お名前、都道府県名、そして〒番号を入れてくださればOKです。

どうぞよろしくお願いします。

z

Catch Surf ®Skipper Fish 6’0″ Taj Barrow Pro

TW Captain Twin + VEKTOR VT Trailer

Amamian Backdoor, Amami Oshima

.

波は小さいけど、

満潮バックドアで波を待っていると、

たまにこんな波が来る。

悪くはない。

アマミアン・パダンパダンがここ。

テッタくんがいつも狙っているレフト。

奄美の名物はタンカン。

高温を好む亜熱帯性柑橘類で、

夏期多湿が良く、

柑橘系では糖度が一番高いという。

こんなおいしいミカンを生まれて初めて食べたというのが私の感想だ。

そこで、

素麺と合わせて「タンカンそば」を作ってみた。

鯖出汁に塩少々と日本酒を合わせて「かえし」を作り、

室温に戻してから黒酢とタンカン果汁を搾り、

京都の山田精油の絶品ごま油をかけて、

(以前NAKISURF千葉で、この山田精油のごま油と、すり胡麻を私へと、

おみやげをいただいたのですが、どちらさまだったか不明です。よろしければ教えてください)

冷蔵庫で数時間冷やしてスープは完成。

素麺を茹で、よく流水で洗って水を切り、

先ほどのスープと混ぜ合わせ、タンカン果実をのせたら完成。

今までの素麺や「そば」系の味覚を超越する衝撃の美味となった。

食べていると、

深い発火だったり、

連続する示唆が走馬燈のように現れる一球入魂味となった。

みなさんも季節中にぜひ!

京都ラッコ旦那の奥方”さっちゃん”にいただいた濃茶ラングドシャ。

濃い緑茶のことを京都では”お濃茶”というらしい。

このパッケージにあったグラフィックに感銘を受けたので、

お濃茶の美味を頬張りながらボールペンで描いてみた。

これにフォトショップで色を付けたのが上の画像。

服といい、

曲線といい、

原典(オリジナルアート)がいかにすばらしいかを知った。

これはタイラー・ウォーレンが、

NAKISURFのために描いてくれたロゴ。

マンダラロゴと言います。

こちらもよろしくお願いします。

タイラー・ウォーレンXNAKISURF_ウナクネ&キャッチサーフ一味の週末&周辺_二郎の見た夢_(2736文字)

Happy Surfing!!

【追記】

昨日のブログ、

炎上承知だったが、

概ね好意的なご意見と感想をいただきました。

少しでもサーフィンが、

本来のサーフィンとなりますように骨を削りますので、

上記した嘉徳海岸の護岸工事同様どうぞよろしくお願いします。

ありがとうございました。

伊豆の佐々木さん_サーフ写真家への対価_(2321文字)

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Ryota Kaneko

Photo by @photosmilejp
.

今日は金子亮太さんの完璧なドロップインから。

彼はNAKISURFの元スタッフであります。

今は結婚して四国徳島に住み、

当時付いた

“アパッチ”というニックネームも霞むほどの活躍をされているが、

この日の伊豆、彼と偶然会った。

しかもほぼ同時に駐車場に入ってきた。

もっと書くと、

そこは私も彼も人生で初めて駐車した場所でもあり、

彼は白馬でスノーボードをしていたらしいが、

どうしても波に乗りたくなり、

伊豆にまでやってきたところだった。

奄美大島に見えるが、

今年の成人式頃の伊豆の波である。

4日間の滞在だったが、

まんまとすばらしい波が毎日できた。

(巻末リンク*1を)

龍も出たりしたので、

これは青龍寺の波切不動明王の御利益なのだろうか?

などと、

ウナクネ会長のお顔を思い出していた。

土佐青龍寺、高知県横浪半島より宇佐大橋を望んで

at Morimoto Beach House

.

話が逸れたが、

伊豆で私たちのサーフ写真を撮ってくださった奇特な方がいる。

Nation Eagle 6’8″ + Tyler Warren’s 7.75″ = VEKTOR Side

Photo by @photosmilejp

.

フォトスマイル佐々木さんというのだが、

伊豆旅のときは、彼のことを毎朝見た。

@photosmilejp

いつもいた。

思い出すのは、

二十数年前の私も佐々木さんと同様にしていて、

毎朝ここぞ、

というサーフスポットに行き、

サーフィンを撮っていた。

けれど当時はフィルム時代、

1ロール(36枚!)撮ると、

現像料も含めておよそ18ドルの出費だった。

360枚撮ると、10ロール=180ドル、

当時ならばランチが5ドルだったので、

一ヶ月以上の昼食代となる計算だ。

よって、

少しずつ撮っていたが、

やはり趣味の範疇では扱いきれない。

もはやこれまでかと思ったときに、

私の場合はサーフィング誌のラリー・ムーア(故人)が拾ってくれて、

フィルムや現像料は晴れてサーフィングマガジン付けとなったが、

「写真を撮る」というのは大変なことである。

波が出ると聞けば、

その一番良いであろう場所を探し、

暗い内から這い出て、

機材を確認し、

冬であれば寒い中、

車を暖機しつつ運転して、

到着すれば、

放射冷却のすさまじいまでの冷気に怯えながら三脚を抱え、

重いカメラとレンズ、

そしてフィルム群を背負ってサーフブレイクまで降りて行く。

画角が良いところを探すあまりに崖のくぼみでも撮影した。

もしそこが崩れてしまうと機材を失うので、

正確かつ丁寧に三脚を立て、

崖を崩さないように息をひそめて撮ったことも多々ある。

また話が少し逸れた。

この伊豆の佐々木さんは、

そんな大変な思いをして写真を撮って、

それからすぐにアップロードし、

フェイスブックやインスタグラムに掲載を始める。

けれどそこには、

報酬=対価があまり存在しないことであり、

けれど、

私も当初は報酬が存在しなくても良い。

報酬などはいらない。

つまり自分が撮りたいもの出会うまでは何もいらない。

「自分が撮りたいものに出会うまでは」

こんなことがキーワードにあったと思う。

例えば、

ここにサーファーを撮った作品があり、

その対価=報酬が存在するとしよう。

毎朝のように数時間、

望遠レンズで写真を撮り、

その器材の総額は80万円を超えるもので、

さらには本業も持っていて、

このサーフ写真を撮る趣味のおかげで寝不足だ。

けれど、あの人も、

きっと彼も彼女も私が来るのを待っているはずだ。

いや、きっと待っているに違いない。

そんな使命を帯びてくるのだが、

きちんとした報酬が存在しないと、

ある日、

佐々木さんはサーフィンではなく、

野鳥を撮ることに目覚めるかもしれない。

または雲の形に感じ入り、

雲写真家になるのかもしれない、

つまりそこにも報酬は存在しないからである。

そして

「サーフィンはあまり撮らなくなってしまう」

という要素をはらんでいるのです。

撮られる側のサーファーの意見としては、

「セッション後に自分の写真がある」

というのは、とてもうれしいもので、

そこには自分が出演したドラマがあり、

写真の中に永年刻まれるのであります。

魚釣りではないが、

両手を拡げて釣った魚がこの位の大きさがあったというより、

写真があれば魚体の大きさや色はもちろん、

ヒレの大きさや興奮の真実は伝わる。

さて、この奇特なるサーフ写真師たちは、

報酬があまりないというために、

突然消滅しまうという要素を大きく抱えているのであります。

そのためにも、

「こういうことに対して課金するべきだ」

「むしろ喜んで対価を払う」

そんなことになった方が双方よろしいのではないか、

と考えていたのであります。

具体的には、

インスタグラムなどで顔などをチラ見せしておいて、

フルサイズのイメージは購入する。

または撮ってもらったらご祝儀でいくらか少額でも置く。

これによって、

佐々木さんは毎月それなりの額の収入を得るわけで、

その中から新しい機材を買ったり、

各人に感謝されることになっても良いな、

そう思いました。

また各地の佐々木さんのようなことをされている方たち、

私は作品を欲しい人たちに対して課金することに賛成です。

なぜなら自分の良い写真は、偶然であっても欲しいのです。

さらにそれは、

各写真家が、

情熱と才能を持って撮られた芸術作品なのであります。

広告写真でお使いください、

サーフイベントの際には、

オフィシャル・フォトグラファーとして招集してみてはいかがでしょうか。

サーフ写真家を救おう。

【巻末注釈リンク:伊豆スナッパーロックス】

【保存&特大号】波の出る仕組み_忘れられない伊豆スナッパーロックス波を総まとめ_(6273文字)

Happy Surfing!!

【特大号】奄美大島発_自然の危機を救おう_嘉徳海岸の巨大堤防建設について_(3898文字)

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Backdoor, Amami Oshima

.

Kキャンパーを自作したと、

少しずつここで書いているが、

ほぼ完成したのと、

うねりがほとんどなくなったので、

島南部に向かいつつ、

巨大堤防が建設されるという、

苦境に立たされている嘉徳海岸を取材してきた。

龍郷町にいた。

ドラゴン岬。

トモちゃんビーチ。

いくつものトンネルをくぐり、

名瀬という市街地を抜け、

そしてさらに南下していく。

龍郷町は、

かの西郷隆盛も住んでいた

割と大きな面積の奄美大島北部の町。

ここにバックドアとか、

アマミアン・パイプライン、

3Dウエッジ、VDがあり、

さらにはタツワツ(龍郷町のウルワツ)だったり、

奄美パダンという森哲太プロが狙うレフトもある

波も人も豊かな町です。

龍の故郷という名前もすてきです。

名瀬は、

鹿児島では第二の都市とされている。

このハブ(ネットワークの中心に位置する拠点)島の例に漏れず、

街の姿を外から見ると、

隆盛または新参、

そして凋落や堕落のるつぼだ。

簡単に言うと商店や飲食店だらけ。

そんなものもことも見つつ、

市街地を抜けていく。

信号だらけ。

飲食店も多いが、

銀行や官公庁舎もここに集まっているので、

昼見るとビジネス街の様相でもある。

その賑やかな名瀬を過ぎ、

少し行くと城(グスク)トンネルが出てくる。

そして郵便局の向かいを海側に折れると、

城(グスク)海岸。

グスクは、

奄美大島ではメジャーなサーフブレイクのひとつ。

Kaila Funaki, Gusuku, Amami Oshima

.

カイラのこのショットはこのグスクで撮られたものだ。

市街地から近いきれいな海。

よって、

いつもサーファーで賑わっている。

Have a fun!!

だが、

前出したように本日のうねりは小さく、

河口エリアでスネというか、

波高7cm程度だった無人グスク。

堤防アート。

立体であり、

平面という不思議な視覚で迫ってくる。

これは私の一番のお気に入りのピースくん。

クラシック&ピースフル

そのまま南下し、

件の嘉徳海岸へ。

ここは巨大堤防建設という、利権だったり、

『日本の海岸をコンクリートで囲もうプロジェクト』

副題

「だって俺たち儲かるもんね計画」

という魔の手や触手を伸ばされた場所である

もうすぐその工事を始めるので、

巨大重機を運搬するための道路整備に着工するという。

しかもそれを知ったのが6日前。

現在は鹿児島県知事に話を聞いてもらうべく、

キャンネンサーフの碇山勇生(いかりやま ゆうせい)さんたちが、

これの猛反対の先頭に立っているが、

この工事をするコンクリート会社(入札済み)の役員2人が、

数年前からちゃっかり嘉徳集落の住民となって、

「集落が危険です!海が迫ってきています。コンクリートで囲んでください。大賛成」

という裏工作をしていることまで突きとめた。

しかも数十件しかない集落に二人も数年入り込んでいたという事実。

ウソみたいな話ですが、

数億〜数十億落ちるプロジェクトですから、

小説や映画みたいなプロットも当然です。

さらにさらにまだまだ悪の手や根が伸びていて、

いつか作家の椎名誠さんが言っていたのが、

「日本の島は無人になればなるほど、護岸やテトラ(消波ブロック)が反比例的に多くなる」
「全ての無人島は膨大な数のテトラで囲まれている」

そんな衝撃の事実だった。

私も島旅を続けてそのことは確認した。

屋久島付近の島々もすごい護岸で、

これって何のため、誰のため?

そう呆然としたけど、

日本のほとんどの場所は、

すでにコンクリートだったり、

利権の餌食になっている。

海は、

自然を壊してしまうと取り返しがつななくなるもの。

だから、そのことを知る私はこの護岸という名の、

巨大要塞建設案に猛反対している。

だが、上記したように

侵食ですよ

とか、

津波が来たら危険ですよ

そんな集落内部からのササヤキ戦術が効を奏して、

ほぼ老人たちだけの小集落は、

「そんな危険なら高さ100mの堤防で海から遮断されたい」

そんな気持ちになっているという。

集落はこんな心理戦の様相を呈している。

だが、

海は住民のものでもあり、

国民のものでもある。

もっと言うと人のものではないので、

改造していいことは何もない。

事実、

これまで利権や金銭授与のために消波ブロックで囲まれた場所は、

その結果、

さらなる侵食が進み、

もっと消波ブロック投入しましょう。

道路が通れなくなりますからねと、

それこそコンクリート会社の思うつぼとなっている。

票田という力を持つ建設人の常套手段であります。

ナミウミ詐欺であります。

さて、

この嘉徳の場合は、

2014年に台風17号と、18号の大波が来た、

そのときは、

まれに見るほど海岸が侵食されていた。

その小さい砂浜に大波が来て、

満潮時には集落付近まで波は迫ったという。

海岸は80年〜100年周期、

または30〜300年周期で砂の移動を繰り返すとあり、

だがこの場合は人工物がないことが条件で、

この人間が善しとして入れた人工物が海の流れを変え、

風を止め、数年後には「小さな死」をもたらせている。

この嘉徳は、

その2014年に最悪の条件で波が迫って不安になったところに、

海抜10mの高さの堤防を作れば大丈夫ですよと、

その工事によるウハハを知る業者が働きかけ、

この巨大堤防の案が、鹿児島県まで行ったのだろう。

向こうもプロなので、

こんな案件は今まで数千件も可決させてきました。

歴々の担当者たちがいます。

どんな手を使ったかは、

いつかの暴露本に書きますが、

とにかくそんな根回し、

接待という賄賂等々を経ている間、

嘉徳海岸の砂は増殖を続けます。

それはまるで、

嘉徳海岸が自身で自衛するように海岸に砂が付き始めたのです。

そして砂が十分に戻ってきて、

危険が去ったのにも関わらず、

金の亡者たちは、

『住民の方、お待たせしました!

ここに8.5mの高さ、

530m長の超巨大堤防を建設することを発表します』

と掲げた。

「これが住民の過半数の賛成です」

「ムハハ〜!しめたものだ。嘉徳を骨の髄までしゃぶってたろうぞよ」

と魔界村にそんな死に神が降りてきたのが2016年。

ただ、

このショッカー(©仮面ライダー)計画は、

前出の碇山勇生さんたちからの島保護の観点、

そして自然保護団体等からの反対を受け、

撤回するという形で頓挫しました。

日本という国では珍しい英断で、

島民たちの完全勝利でありました。

これは嘉徳海岸の今日。

広く、

美しい海岸があり、

太古から生きものを育んできた海がある。

サイトなどを散見すると、

ジュラ紀から続く浜として、

ジュラシックビーチなどの称号がある。

話が逸れました。

しかししかし、

前出したように「悪」というのは、

野草タンポポではありませんが、

深く強い根があり、

さらにはそのタネを飛ばし続けています。

3年間、

またいろいろな場所、

特に鹿児島市で欲望渦巻く夜があり、

うれしきものをいただいたので、

その約束を果たすという繰り返しで、

工事計画は進んでいました。

知らないのは、

前出の碇山さんはもちろん、

ほとんどの島民。

ついには、

「反対派のみなさんお喜びください!
超巨大堤防は1/3となり、ただの巨大堤防となりました!」

そんな文体で突然33%復活してきた。

悪は根絶やしにしないとすぐに復活する。

バイキンマン(©アンパンマン)と同じです。

今回取材してみて、

この工事をする側の巧妙かつ年季の入った立ち回りがわかった。

「これはあくまでも集落の住民を護るためです」

弱者を守る風の論点を持ち出し、

信じられないほど大きく、

広い砂浜となった海岸を前にして、

いまだに要塞みたいな愚の骨頂の巨大堤防を建設しようとしている不思議。

これはもちろん公共事業なので、

全て税金から支出されます。

なぜこんな案件が、

鹿児島県のさまざまな部署を通って可決されたのも不思議だが、

これも上記した魔界というか、

行政大規模工事という億単位の金銭が動く不思議なのであります。

これも嘉徳海岸。

上にポストした画像右側。

嘉徳海岸南側にこの嘉徳川があり、

ここには、

ほぼ絶滅してしまったリュウキュウアユが棲み、

さらにはこの水量が砂を海に押し出すという自然の恵みがある。

嘉徳川の河口は、

完全無垢なる姿があり、

太古から変わらぬ岬が神話世界の生きもののように鎮座していた。

写真で見ると、

助けてと訴えているように見えるのは、

私のエゴだが、そんな気持ちとなった不思議。

そして、

巨大なビーチ。

どこに巨大堤防の必要があるのでしょうか?

この現状を記録したく、

実際に嘉徳海岸に足を運んで感じたことを書きました。

———————— ———————— ————————

こんな問答を得た。

「問、巨大堤防建設工事撤回とは?」

「完全に絶つもの」

「なお問う、巨大堤防建設工事完全撤回とは?」

「このままであること」

「さらに問う、巨大堤防建設工事完全撤回とは?」

「自然の恵みが続くということ」

「さらに問う、巨大堤防は、海の死となり、地の死となり得るか?」

「100%なり得る」

———————— ———————— ————————

詳しくは、

最後の “ジュラシック・ビーチ”奄美大島・嘉徳海岸を 巨大な護岸建設工事から救おう!

みなさんの応援もお待ちしております。

私は奄美大島が大好きで、

それが高じて観光大使をしております。

世界でも稀な、

奄美大島のかけがえのない自然の美しさを知ってのお願いでもあります。

どうぞよろしくお願いします。

平成31年3月17日(日)

NAKI 船木三秀

[追記]

集落に咲いていた花も、

私に何かを訴えかけてくるように映った。

【巻末リンク:嘉徳の別記】

【サーフィン研究所】奄美いろいろ_巨大護岸から嘉徳を救え!_絶品タンカンそば_ラングドシャアート_(2736文字)

Happy Surfing!!

バックドアのウミガメ(動画あり)_青い海とフエフキダイ_銘弁当の龍郷町重野玉里店_(2150文字)

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Amamian Backdoor, Amami Oshima

.

北風が南風となった。

波は小さく、ささやか。

だが、

これから荒れるという予報。

具体的には、

猛烈な南風がおよそ24時間続き、

同時に大雨が降るという。

春ですね。

これが崩れる自然の不思議。

逗子サーファーズ岬からきんちゃんがやってきた。

奄美にやってくる友人たちは多いが、

サーファーズ岬からは珍しい。

なんでも60歳になられた記念だそうで、

「まさかさ、奄美に来られるだなんて

思ってもみなかったからうれしいね〜」

そんなお言葉にも実感と、

こみ上げてくるうれしさが詰まっていた。

金曜日に書いたウミガメは、

調べてみると絶滅危惧種となっており、

けれど、

どのブレイクに行ってもたくさん見られる。

もしかすると、

個体数が増加しているのかもしれない。

これはグッドニュースならいいんだけど。

サーファーにここまで近づいて、

目の前に浮かび上がる。

このウミガメは、

サーファーと一緒に遊んでいるのかもしれない。

巻末の動画はこのウミガメも出演しています。

遊んでいる穴があって、

そこから出発するときは、

ヒレを使って射出していたり(動画にあります)、

私からずっと離れずにいてくれるかわいいウミガメです。

そのバックドアの波と、

キャッチサーフ2種。

6’6″ & 6’0″

そしてZ1サーフスーツ『LIGHT』。

私たちが提案する、

最軽量の柔らかいスーツ。

春夏秋のスーツをお考えの方は、

ぜひこのコンセプトサーフスーツを思いだしてくださいね。

オススメします。

波乗り後は、

重野玉里店弁当を求めに行く。

大人気の重野玉里店弁当

欠点はすぐに売り切れてしまうこと。

ここで作っているので、

10分も待てばすぐに補充品が来るのだけど、

そうなると誰かも待っているので、

椅子取りゲームみたくなる。

そうなるのが嫌なので、

だいたいは上の奄美ニギリとかにしてしまうのだけど、

今日はタイミング良く待ち人なしで補充されて、

私たちは感動的な視界を得た。

蓮(レン)くんがふらりと店内に入ってきた。

「あ、NAKIさん!」

「おはよ〜」

「おはようございます。じつは昨日NAKIさんのブログ読んでたら、

はまってしまって、さかのぼって読んでいたら朝の5時でした」

「うれしいけど、ごめんね(笑)」

「いえいえ」

レンくんはレジのおばさんと親しげに話している。

有限会社重野玉里店謹製海苔弁当近影

320円

.

「家はこの近くなの?」

「そうです。そこです」

「いいなぁ。このお弁当で育ったわけだね」

「シゲノ最高です」

そんな会話をしていると、

さらに弁当が追加されて、

今まで見たことのないスペシャル・ソーキ弁当が出現した。

手に取ると、熱く、温かかった。

これが自分のものとなるなんて、

誰もいなかったら感涙にむせび泣いたことだろう。(笑)

私たちはいそいそと国道58号線を北上し、

VBで感動弁当を青い海を見ながらいただくと、

大リーグボールを完成させた瞬間の星飛雄馬の目となった。

こういうときにもうれしきKキャンパー。

椅子もありますし、

テーブルも、カセットコンロまでございます。

これはこのKキャンパーが内蔵するベッド。

完成時に一枚撮ったものが出てきた。

軽サイズなので小さいのが玉にキズ。

だけど、

身長170cm以下の方なら幸せに眠れます。

このVBの並びには、

絞り立てのサトウキビジュースを提供するお店があり、

その店内はこんな感じである。

例によってここは観光名所となっていて、

開店するやいなや、

内外の旅行者たちがやってきて

すぐに満席となる。

私たちは上記したように

VBやバックドアで青い海を見て食事をしているので、

こんなガラス張りの青い海という店内にはそそられない。(笑)

これはラカ法王がいたときの一枚。

なんでいまごろ写真が出てくるかというと、

かいつまんでファイルを見ているからに他ならない。

それほど忙しかったです。

それにしても法王は笑顔が優しい。

心も優しい人です。

ラッコ旦那やウナクネ会長の心の師。

こちらは鎌倉のジャイアン。

緑くんの親友でもあります。

番屋岬でも会えたし、

中村豪くんの友だちでもあるし、

それはパワフルな人です。

“Aloha Vibes Only”

すばらしい言葉だ。

ちなみにジャイアンが奄美に来ることは、

台風上陸と同じらしく、

毎年何号と数えるらしい。

ちなみにこれが今年のジャイアン台風1号で、

予報では今月の31日にも予報円が見えるらしい。(笑)

さて、

前出したVBは龍郷町赤木名にある。

その国道沿いに田端魚屋さんがあり、

熊ちゃんとウナクネ会長御用達で知られている。

入店してみると、

「フエフキダイがあります」
「刺身でいけます」

というので購入してみた。

一サク500円だった。

これに自家製ガーリックオイルと、

岩塩少々、燻製ソース、

そしてマヨネーズをかけていただくと、

絶品も絶品、

忘れられないフエフキダイとなった。

自分のためにもここに記録した次第です。

冒頭のバックドアのローカル、

ウミガメくんに出演いただいた動画をここに。

3月12日にも登場していただいたリトくんもここに出演しています。

ナッキーのすごいワイプアウトも。

【サーフィン研究所】バックドア_ヤンググレイト・リト_コブシメとチョウメイソウ_(2006文字)

Happy Surfing!!

【サーフィン研究所速報】今朝波と風の仕組み_(2808文字)

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Amamian Padang Padang

アマミアン・パダンパダン

.

ものすごい風だった。

そして「猛烈な」という形容動詞が正しいのか、

天にある湖をひっくり返したような雨が西側全てを吹き付けていた。

Amamian Backdoor

アマミアン・バックドア

.

時計を見ると、午前2時。

風と共に建物は揺れ、
「車高が高い車などは倒れるかもしれない」

そう感じられるほどの嵐だった。

野宿でないことを感謝した。

大きな低気圧だったのか。

天気図を見てみると、

高気圧に押し出される形で寒冷前線が真上を通っていた。

夜明け前に突然風が止んだので波を見に行くと、

いまだにオンショアは強かった。

その深夜に激烈に吹いたであろうオンショアの名残が、

うねりや盛り上がりとなって、

170cm程度の満潮を揺らしていた。

リーフがあるところはもちろん、

もしかしたらチャンネルの深いところでもうねりが合わされば崩れていく。

オーバーヘッド程度であろうか。

強烈なエネルギーだ。

太古から変わらない荒れた海。

VB, Amami

VB奄美大島

.

オンショアが突然向きを変え、サイドとなった。

名瀬の方から吹いてくる西風だった。

「お、風が変わったよ」

一緒に波を見に来たきんちゃんは、

波乗りがしたくて、

一刻でも早くしたくて、

私が前向きになる材料を探しているようだった。

「お昼頃オフショアになります」

「おお、やっぱり!低気圧が抜けていったから?」

「そうです。低気圧を押し出した高気圧もいい位置にいるので、

お昼くらいにはオフショアになりますよ」

「ほんとだ、オフショアになったよ!すごい」

「本当ですね。けど思ったより早いな」

「あ、けどまたオンショアだね」

「風が廻っていますね」

Amamian Pipeline

アマミアン・パイプライン

.

「でもさ、なんで風って回るの?」

「低気圧とは言っても結局は地球の上じゃないですか」

「そりゃそうだ」

「それと低気圧の風の動きを立体で考えたことはありますか?」

「いや、ない」

「低気圧は上昇気流です」

「それは知っている」

「低気圧や台風は、大気が真上に向かっていくわけではないんですよ」

「大気というのは風のことだね」

「そうです。低気圧は左周りで風を吹き込み、

らせん状に、これも左周りで空に昇っていきます」

「そうなんだね」

「それが大量に速く動いたのが昨夜の猛風です」

「そうか、あれが南向きだったのは、

まっすぐ横ではなくて、左周りからの南だったのか」

「そうです。だから南から西に向くというのは?」

「逆だ。うーん、わからない。何で逆なの?」

「低気圧の逆は高気圧です」

「おうよ」

「その高気圧の風を自分たちは今受けています」

「へー不思議、なんでわかるの?」

「この晴れていく天気と、天気図です(笑)」

「でもさ、それが自然の摂理なわけでしょ」

「そうです。誰も変えられません」

「そして西になっているのは、右回りだもんね」

「それが北、オフショアに向いていくのがお昼頃と予想しました」

「むう」

「さらに」

「さらに?」

「グッドニュースとしては、この風は弱まると」

「なぜ弱まるのかというと、この左周りの低気圧が離れていくからだね」

「ご明解です。

しかも西に高気圧を携えての状態での通過ですから読みやすいです」

「でもさ、なんでその高気圧が関係あるわけ?」

「低気圧は右回り(反時計回り)に空に昇っていく大気です」

「そうか。風の仕組みを知らなかったな。

サラリーマンは何も知らないって気づかされたよ」

「高気圧は反対回りです」

「というと?」

「大気だったり、低気圧が集めた風を地表だったり、

海面に右回りに振り落とすように送り込みます」

「そうだったのか!」

「お、タキビシの決めセリフ知っていますね。さすがです」

「いや〜。へへ」

「その風は低気圧と反対で左周り、時計回りです」

「ん?すると、この南、西と回っているのは、

高気圧の風ということになるね」

「そうです。低気圧が、右回りの猛風を吹かせました」

「はいはい」

「それはこの沖合いを右投手のサイドスロー投法のように、

またはムチのように螺旋状にあの爆風を吹かせました」

「それと、この高気圧からの風が抑えると」

「これが自然の摂理です」

「違うパターンもあるわけだね」

「千差万別です」

「そっか、だから波が出るという予想でも波が出ないのは、

沖で吹く風が予想通りにならなかったということか」

「パーフェクトです。お昼前からコンディションが良くなりますよ」

「お〜!」

「この風の塊が右回りで周りながら時速35kmで動いています。

お昼には北まで回るでしょう」

「すごい世界だ。でもそれが現実なんだよな。

でもさ、何で35キロってわかるんだい?」

「朝の天気図に進行速度があったので、そこからです」

「へー、天気図はすごいなぁ。

サラリーマンはそんなことも知らないんだよな」

「俺さ、風に興味を持ったんだけど、

風向きを知る方法って他にどんなのがあるの?」

「うーん。その時その時なので、

予測できずに後から読み解く方が多いです」

「それでもいいよ。知りたいな」

「ではひとつだけ」

「はいよ!待ってました」

「今お話したのが、

気圧の高いほうから低いほうに向かって大気を動かすことですね」

「はいはい」

「これを気圧傾度力と言います」

「へー、名前があるんだ。知らなかった」

「大丈夫です。普通の人は知らないです」

「コリオリの力というのは習いましたか?」

「そんなのあったね。なんだっけ?」

「コリオリの力は地球の自転の力です。ここは北半球なので右向きです」

「水が流れていくときの水流のことだね」

「そうです」

「それがなんで風に関係しているの」

「風が止まったことを感じることありますよね」

「もちろん、無風大好きだよ」

「コリオリは、先ほどお話した気圧傾度から吹く風を止めてしまいます」

「え、自転の力で風を止めちゃうの?」

「はい、これを地衡風(ちこうふう、Geostrophic wind)と言います」

「へー。あの無風のときは地衡風だったんだね。

すごく勉強になるね。定年前のサラリーマンには必携だね」

「ただ、このコリオリの力程度の気圧傾度風でないと成り立ちません」

「わかるよ。シーソーみたいに力の釣り合いが取れていないといけないんだね」

「そうです」

「それにしても奄美の海は壮大だね〜!」

「神話以前、ジュラ紀から続く隆起にぼくたちは今立っています」

「あの波もジュラ紀からこうだったのかな」

「その可能性は高いですよね」

「暑かったのかな」

「ジュラ紀は湿度が高く、雨もすごく、暑かったようです」

「壮大だな〜。だってさ、俺たちは波乗りをしていて、風に興味を持って、

それから1億5000万年前まで遡った話をしているんだぜ」

「そうですね」

「奄美は壮大だ。じゃないとこんな気持ちにならないもんな」

「本当ですね」

「こんなことは絶対サラリーマンをしていたら感じないもんね」

Happy Surfing!!

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